Menu
(0)

Search

お蔵入り『バットガール』監督が『ザ・フラッシュ』を観た、「悲しかった」

ザ・フラッシュ
(c)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved (c) & TM DC

DC映画『バットガール』は撮影を終えて完成間近だったにも関わらず、配給の米ワーナー・ブラザースの一存によって突如お蔵入りとなった。監督のアディル・エル・アルビ&ビラル・ファラーや出演者・スタッフらの落胆は察するに余りある。

まだDC新体制が確立されないうちに製作されていた企画。マイケル・キートンのバットマンが登場し、マーベル映画のニック・フューリーよろしく複数作品に登場するキーマンになるはずだった。その後、キートン版バットマンは『ザ・フラッシュ』にのみ登場することとなった。

気の毒なことに、アディル監督は自身の結婚式の最中に『バットガール』お蔵入りを知らされている。長期間にわたって情熱を注いだ仕事が全て泡と消えるという失意を経て、監督コンビは『ザ・フラッシュ』を鑑賞することができたという。その映画では、自分たちも加わっていたはずだった世界、一緒に戦っていたはずだったヒーローが描かれていた。「悲しかったです」と、アディルは米Varietyに胸中を明かしている。

「(『ザ・フラッシュ』の)アンディ・ムスキエティ監督と、彼の姉で製作を務めたバルバラのことも大好きです。でもあの映画を鑑賞した時、僕たちもこの世界の一部になれていたんだよなと感じてしまって。僕たちには、『バットガール』を世界にお披露目して、観客に評価してもらう機会はやってこなかった。」

ザ・フラッシュ
(c)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved (c) & TM DC

『バットガール』お蔵入りの理由はいくつか伝えられている。DCスタジオ代表のピーター・サフランは「リリースに値する作品ではなかった」「DCにダメージを与えるからキャンセルされた」と、暗に作品の出来を責めた(当然ながら、主演したレスリー・グレイスはこの発言を失礼なものであると反論している)。このほかには、単にDC新体制に伴う都合であることや、財政的な理由であるとも言われている。

あわせて読みたい

どのような理由があるにせよ、映画とは最終的には観客にジャッジされるものではないかと、アディルは主張している。「僕たちにとって究極のボスは観客なんです。作品の良し悪し、あるいは作品を観るべきかどうかについては、本来は観客に判断してもらうべきなんです」。

出演者がSNSに掲載した撮影風景などの映像を除いて、『バットガール』からはいかなるティザー映像も公開されていない。そのため、我々は『バットガール』がどのような作品になり得たのかを知ることはできない。アディル監督によれば、「『ザ・フラッシュ』とはかなり違った」雰囲気になっていたという。「『ザ・フラッシュ』はファンタジー要素が大きかったですが、僕たちのものはもっと地に足が着いていました。もっと、ティム・バートン版のゴッサム・シティという感じです」。

相方のビラル監督は、「僕たちのキャリア最大の落胆でした」とお蔵入りを辛く振り返る。「いちファンとして、バットマンを演じるキートンに立ち会えるだけでも、最高に光栄なことでした。しかし、ほろ苦い思いです」。

これほどの出来事を経ても、アディル&ビラルは機会さえあればDC映画に再挑戦したいと、健気な姿勢を公言している。「まだ仕事をやり終えていないという思いがあります」とビラル。彼らはまだバットシグナルを消灯していない。

「ファンとして、DCや、バットマンやバットガール、ゴッサム・シティに対する僕たちの愛はとても大きい。また別の企画があれば、ノーとは言い難いです。もしもまた参加できる機会があれば、僕たちは乗りますよ。表に立てないままでしたから。」

Source:Variety

Writer

アバター画像
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly