『バットガール』監督、お蔵入りは「完成度のせいではない」と強調 ─ 映画は未完成、いまや映像にもアクセスできず

お蔵入りが決定したDC映画『バットガール(原題)』について、監督のアディル・エル・アルビ&ビラル・ファラーが、「作品のクオリティに問題があったため」とする説を否定した。
本作のお蔵入りは、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーのデヴィッド・ザスラフ新CEOが率いる新体制によって決定されたもの。約9000万ドルを投じて製作され、撮影も終了していたが、“損切り”としてのお蔵入りが決定されていた。一部には「テスト試写での評判が芳しくなかったため」とも報じられたが、監督コンビはこれは事実ではないと見ている。
仏SKRIPTの取材にて、アディルは「ワーナー・ブラザースからは、これは僕たちや出演者の問題でも、ましてや映画のクオリティの問題でもないと聞いています」と述べた。二人によると、お蔵入りが決まったのは編集作業中の出来事。「まだやるべきことはたくさんあった。映画は完成していなかった」と強調し、今後の追加撮影も予定されていたことを認めた。
「ワーナーから聞かされたのは、お蔵入りは戦略変更のため、経営陣の変更のためだということ。おかげで彼らは節約ができたんでしょう。」
このコメントは、以前からお蔵入りの有力な原因だとされている「(新経営陣が)配信用に製作された高予算映画は財政的な意味をなさないと考えたため」との理由に一致するものだ。
製作中止を聞かされた時、ビラルは「ショックを受けたし、どう反応していいかわからなかった。現実じゃないと思った」と述べている。アディルもこれに同意し、「僕たちは観客のために映画を作っているのだし、いつか公開されることを願っています」と話した。もっとも先述のように、まだ『バットガール』は完成しておらず、VFXの作業もたくさん残っているため、現状のままでは公開できないという。
ちなみに「映像は手元にあるんですか? (スタジオが)全部持っていったんですか?」との質問に、二人は「僕たちは何も持っていません。サーバーにアクセスしたら、もうすべて見られなくなっていました」と回答。スタジオの判断で素材がすべて回収され、いまや監督さえアクセスできない状況になっていることを明かした。
Source: SKRIPT