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「ブラックリスト シーズン8」なぜコロナ禍を描かない?主演ジェームズ・スペイダーのロングインタビュー

ブラックリスト シーズン8
© 2020, 2021 Sony Pictures Television, Inc. and Open 4 Business Productions LLC. All Rights Reserved.

人気のアクション・サスペンスドラマ「ブラックリスト」待望のシーズン8が、2021年5月25日より海外ドラマ専門チャンネル「スーパー!ドラマTV」で日本独占放送開始となる。

「ブラックリスト」は2013年秋、全米ネットワークNBCにて放送スタート。エミー賞スタントコーディネート部門を受賞したハードなアクションと緊迫した心理戦が好評を博し、すでにシーズン9の製作も決定しているシリーズ。

シーズン8は、新型コロナウィルスの影響を受け中断となったシーズン7のクライマックスのストーリー展開からスタートし、序盤から驚愕な展開が待ち受ける。シーズン7に引き続き、カタリーナは娘エリザベスと共にレディントンの真の正体を探るべく、父であるドムや幼馴染のイリヤを巻き込み、レディントンを追い詰めていく。

このたびTHE RIVERでは、レイモンド・“レッド”・レディントン役で主演のジェームズ・スペイダーのロング・インタビュー全文を入手。世界各国の記者からの質問に答える形で、スペイダーがシーズン8の見どころや、これまでのレッド役の道のりを振り返る、貴重な内容となっている。

ブラックリスト シーズン8
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「ブラックリスト シーズン8」ジェームズ・スペイダー インタビュー

──「ブラックリスト」はアクションたっぷりの作品ですが、パンデミックのさなかに撮影するのは大変だったのではないでしょうか。

なかなか大変でしたよ。スケールが大きなドラマですからね。携わっているスタッフも多くて、ポスト・プロダクション(撮影後の編集作業)も入れれば400人近いと思います。セットにいるのは、300人超くらい。なので、(コロナ対策が)とても難しいんです。

それから撮影許可の申請も厳しくて、許可が下りる場所や、何人まで入れるかなどの制限があるんです。今回のシーズンはそういう環境だったにも関わらず、製作をやり遂げるために大きな大きな努力をしてきました。スタッフの皆さんが見事な仕事をされたから、災難も想定の範囲内に留まった、ということは言わせていただきたいですね。

──これまで視聴者は、レディントンの様々な面に驚かされてきました。シーズン8で、ご自身が驚いたことはありましたか?

今回のシーズンもサプライズが山盛りです。私にとっては、脚本家とずっと前に話していた内容が実現化しているので、そういう意味でも驚きはありますね。ここ数シーズンでの出来事は、私たちが前からずっと話していたことなんです。なので、私たちよりも皆さんの方が驚かれることが多くあると思います。

私はレイモンド・レディントンが置かれている様々な状況に驚かされています。ある状況下での自分の反応に、自分でも驚くことがあります。そのことを楽しんでいますよ。状況によって自分がどう反応するか、それにはっとさせられるのも、役者というものの面白いところだと思いますから。感情的な反応についてもそうですし、初めての場所で自分はこういう風に振る舞うんだという発見をして、その設定の中でシーンを演じるということもそうです。こういったことにいつも驚かされています。時々、シーズン中に予想もしなかったことが起きたり、問題を解決する必要があったり、最初に考えていたやり方とは違う方法を新しく考えることもあります。

そういう驚きは、どうやってとか、何がとかではなく、ドラマがどんなところにたどり着くのかということで、そこは今でも驚かせてもらっています。プロットとは前に進んでいくものですからね。そういった小さな波だったり、細かなことは、シーズン8の今も楽しく驚かされていますよ。

──レディントン役をずっと演じてきて、ご自分の演技の成長をどう見ていますか?「ブラックリスト」で楽しみにしている新しい要素や挑戦はなんですか?

「ブラックリスト」は私が携わったテレビ番組の中で、長く続いたものとしては2作目なんですけど、100エピソード以上演じるわけですよね。1作目は「ザ・プラクティス」のアラン・ショアというキャラクターで、放送翌年に(スピンオフ作の)「ボストン・リーガル」として数年続いて。今はこの「ブラックリスト」でシーズン8までやってきたわけです。

(アラン役とレディントン役の)両方のキャラクターで魅力的だったことは、キャラクターがストーリーの中でどう成長していくかだけではなく、周囲も含めて時間の経過によってどう成長したかを見られるということです。レイモンド・レディントンの場合は、もう8年も演じてきて、私も8歳年を重ねたわけですし(笑)。レイモンド・レディントンは私と共に8歳重ねたわけですよ。

時間とともに変化し、成長するものがあるというのは、テレビドラマの素敵なところですね。私はキャリアの中で幸運にも、たくさんの映画や演劇、そしてテレビドラマでお仕事をさせていただきました。全部、まったく違うんですよね。テレビドラマでの仕事のユニークなところは、長いことやっているとキャラクターが自分と共に年をとっていくというところです。キャラクターがどう年を取るのか、キャラクターの視点やモノの考え方がどう変わっていくかも分かるということです。

特にレディントンの場合は、健康問題もありますが、彼の人生の本質的なところも見ています。これまでの彼の人生は若かった。しかしこれから年を取っていったとき、維持していくには大変な人生です。70代になってもやりたいことじゃないし、70代になっても生きたいような人生じゃない。

それは彼の人間関係が成長したということでもあります。このテレビドラマでは、彼の人間関係がどういうものか、その質や、どう成長したかを見せることがとても重要です。幸いにも、そういった人間関係の変化と発展、そこから別の道に進んでいく様子を見る時間はたっぷりある。今年が良い例ですよ。このシーズン8では、レイモンド・レディントンとエリザベス・キーンとの間に深い深い溝が生じます。私はそういうところに魅力を感じますし、掘り下げていくのが楽しいんです。

──「ブラックリスト」は、もう8年も続いていますね。その間にストリーミングサービスが台頭しています。こうした影響はドラマにもありますか?HBO MaxやNetflixと競争しなくてはならないことを考えると、どういった努力が求められるんでしょうか?(※質問者の国ではNetflixで「ブラックリスト」は配信されていないとのことでの質問)

Netflixと競争なんてしませんよ。なにせ「ブラックリスト」はNetflixで配信されていますから(笑)。どのシーズンだったか、Netflixでトップ10に入っていたこともあるんですよ。だからストリーミングサービスは私たちにとって、とても大切なものでもあるんです。

番組を録画しておいて後で観たり、NBCの配信サイトで観られるといった新しいテクノロジーがもたらした変化もあります。「ブラックリスト」は、そういったことが発展し、このビジネスのスタンダードや話題の中心になっていく一方でずっと放送されてきた番組ですね。

でも、あなたがおっしゃったことは面白いですね。私たちは1シーズンあたり22話あって、その中でストーリーを伝えています。私たちとしては、それくらいのエピソード数は欲しい。私はこれまでの「ブラックリスト」のどのシーズンでも、ネットワークが購入したエピソード数のノルマ分を穴埋めしているように思ったことはありません。

シリーズがあまりに続きすぎるとそうなってしまうんでしょう。でも、「ブラックリスト」ではそこが問題になったことはありません。シーズン数もエピソード数も、これでもストーリー上はギリギリの量ですよ。先日、製作総指揮のジョン・ボーケンキャンプとも話していたんですけど、とある1エピソードだけ、20分長いことがあったんです。彼はカットできるところはすべてカットしたんですけど、それでも20分長くなってしまったと。

ネットワークの番組で22エピソードもやらせていただけるのは幸運なことです。こんなにたくさんの時間を持たせていただいていることに、本当に、本当に感謝しているんです。それに、ストリーミングサービスやテレビにたくさんの作品があることも喜ばしく思っています。そのおかげでコンテンツがどんどん良くなるでしょうから。世の中には様々なものがありますが、競争によって質が良くなっていくのなら、それは良いことだと思いますよ。私たちも、そのために努力をしています。

NBCの皆さんもソニーの皆さんも親切ですし、私たちはこの環境がとても気に入っています。既にシーズン9も決まっています。私たち製作側も、とんでもなくワクワクしているところです。単調な日々の仕事という感じはなくて、未だに私たちも驚かされることがあります。毎年新たな問題が出てきますし、エピソードごとに解決しなくちゃならないことが出てきています。

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THE RIVER編集部THE RIVER

THE RIVER編集部スタッフが選りすぐりの情報をお届けします。お問い合わせは info@theriver.jp まで。

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