なぜ『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』は自宅でたくさん観られている? ─ 故チャドウィック・ボーズマンから学んだこと

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』(2022)は、ブラックパンサー/ティ・チャラ役の故チャドウィック・ボーズマンを追悼する映画だ。本作は現在、ほかの『ブラックパンサー』関連作品よりも「自宅で観られている」という。
なぜ、この映画は「自宅で観たい」映画になったのか。監督・脚本のライアン・クーグラーは、米The Hollywood Reporterにて自身の見解を語った。2020年8月にボーズマンが逝去したことを受け、クーグラーは当初の脚本を破棄し、映画を全面的に再構築した経験の持ち主である。
「僕と同じくらい──それ以上に長く映画を撮ってきた人たちさえ、“こんな映画は観たことがない”と言うんです。胸が張り裂けるような思いで映画を作らなければいけなかったし、そうでなければ完成しなかったと思います。僕とチャドの距離はどんどん縮んでいたところだったので、心に傷が残ったようでした。まるで太陽を奪い去られた惑星のように、僕たちは漂っていたんです。」
クーグラーはボーズマンとの関係を、「芸術的なレベルで深く関わりました。彼との会話は永遠に残ります」と語る。もっとも第1作『ブラックパンサー』(2016)当時のクーグラーは30歳前後で、「ストレスで正気を失い、睡眠不足で、この映画は失敗すると確信していた」そうだ。そして、そのことがのちに大きな後悔につながった。
「僕は、チャドウィック・ボーズマンが何度もテイクを重ねてくれる様子をただ楽しむという特権すらうまく受け取れませんでした。彼がダメな芝居をしたテイクなんてひとつもなかったのに」という。「だから彼が亡くなった時、こう思いました。“どうして僕は、自分の頭だけで考え、自分には価値がないと感じるあまり、いろいろなものを楽しむことを自分に許さなかったのだろう?”」。
現在、クーグラーは「チャドから学んだことは今後の人生を通じて大切にしていきます」と語っている。「物事の良い部分、価値を見出すこと。インポスター症候群(自分の実力を認められず、過小評価すること)や罪悪感、ネガティブな感情に囚われて、大好きなキャストや、“よくやった”と言ってくれる人たちとの時間を自分から奪ってはいけないのです」。
こうした変化は、クーグラーが『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』や、最新作『罪人たち』の製作を通して経験したものだ。「思った以上の回復力が自分にはあるのだと知った──それが一番大きな出来事でした」と振り返る。
「あの映画(『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』)は、そのほかの『ブラックパンサー』作品よりもずっと多く家で観られています。なにか特別なものを感じ取りたい時に観てもらえているのかな、と僕は思います。」
なお今回のインタビューによると、やはりクーグラーの次回作は『ブラックパンサー3(仮題)』になるとのこと。現在は「X-ファイル」のリブート企画とともに作業を進めているそうだ。
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Source: The Hollywood Reporter































