『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』ワカンダの衣装、バットマン映画の思わぬ影響あった

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』の衣装には、意外にもDC映画『バットマン』シリーズが大きな影響を与えていたという。衣装デザイナーのルース・E・カーターが米Varietyに語っている。
「ライアン(・クーグラー)が新しい『バットマン』映画を観るたび、“スーツが変わっている”と言っていたのを覚えています。彼は、ワカンダのものもアップグレード出来ると感じたのでしょう。だからドーラ・ミラージュの戦士たちは新しい鎧を、ナキアは新しいスーツを手に入れたのです。」
クーグラー監督の理解どおり、『バットマン』シリーズでは新作映画が公開されるたび、バットマン/ブルース・ウェインのスーツが新たにデザインされている。そこで『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』でも、前作『ブラックパンサー』(2018)と同じ衣装をそのまま使うのではなく、新しい要素を取り入れることにしたようだ。MCUでもスーパーヒーローのスーツのデザインが変わることはよくあるが、あくまでもインスピレーションの源は『バットマン』だったのだろう。
また本作に初登場する海底文明・タロカンには、古代のメソアメリカ文明やマヤ文明が参照されている。もちろんコミックの要素も丁寧に取り入れられており、タロカン人のアットゥマ(演:アレックス・リヴィナリ)が被るヘッドドレス(頭飾り)のデザインに、クーグラー監督はシュモクザメの骨格を採用。コミックのアットゥマのオリジンに繋がるデザインにしたいと考えたのだそう。カーターは監督と実際に歴史家を訪れ、貝殻や翡翠などについて学んだとも明かしている。
映画で描かれるタロカンという土地は、もともとコミックに登場する海底帝国アトランティスを実写映画のために再創造したもの。クーグラー監督はこの場所を現実的な場所と感じられるよう描くことを重要視したと述べていた。前作ではワカンダをなるべくリアルに描くことに腐心していたように、『ブラックパンサー』シリーズにクーグラーは一定のリアリズムを求めているようだ。
映画『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』は公開中。アップグレードされたワカンダの衣装や、タロカンの装飾などにも注目すれば、きっと映画をさらに楽しめるはず!
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Text: Hollywood, 稲垣貴俊
Source: Variety