Menu
(0)

Search

【ネタバレ考察】『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』のX-MENへの伏線を考える

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー
©MarvelStudios 2022

この記事には、『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』のネタバレが含まれています。

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー
Tenoch Huerta Mejía as Namor in Marvel Studios’ BLACK PANTHER: WAKANDA FOREVER. Photo by Eli Adé. © 2022 MARVEL.

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』では、海底文明タロカンの王として、コミックの人気キャラクターであるネイモアが初登場した。劇中では、ネイモアの出自が「ミュータント」に絡めて語られる。

1571年。スペインによる迫害を受けたネイモアの一族は、海中で発見された光る植物を摂取し、水中での生活に適した身体に変化した。一族は地上世界を捨てて海中に住処を移し、ネイモアは海に生まれた初めての子どもとなった。尖った耳と足首の羽根を持つネイモアは、自身は「初めてのミュータント」であるとシュリに明かす。

ネイモアはMCU「初の」ミュータント

マーベル・ユニバースにおけるミュータントとは広義的に、遺伝子の突然変異によって特殊能力を身につけた者たちを指す。コミックや旧20世紀フォックスの映画シリーズでミュータントはしばしばマイノリティのメタファーともなり、差別問題も投影されてきた。

コミックでもネイモアは「初のミュータント」として描かれている(作中の歴史には、アポカリプスといった“最古のミュータント”も別に存在するが)。また、X-MENのメンバーに加わることもあった。

『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』がネイモアのミュータント設定を継承したことは、後に展開するMCU版『X-MEN』への明らかな下準備と言えるだろう。これまでMCUの劇中で、初めて“ミュータント”と明言されることとなった。(ドラマ「ミズ・マーベル」では、厳密には「突然変異(mutation)」と言われている。)

ところでネイモアが自身をミュータントと名乗った際、シュリはその名称に疑問を示さなかった。もしかしたら、MCUでは既にミュータントの存在がある程度認知されているのかもしれない。「シー・ハルク/ザ・アトーニー」でも、一般社会におけるミュータント(であろう人々)が描かれた。つまりMCUではミュータントの存在について、これまでとりたてて大々的に騒ぐこともなく、その認知がかなり広く浸透していた可能性がある。ネイモアが「“初の”ミュータント」と称したことにも、ミュータントにおける歴史や背景がそれなりに認識されているような空気も感じられる。

MCUで今後X-MENが大々的に登場する際には、ネイモアがそのキーマンとなるだろう。本作で語られたネイモアの出自からして、彼は迫害を受けるミュータントに理解と同情を示し、人類社会に何らかの挑戦を行うかもしれない。ミズ・マーベル/カマラ・カーンや、MCUに新登場するであろうミュータントたちが、自身らのアイデンティティとどう向き合うかが大きなドラマになりそうだ。

ワカンダにストームが出現する可能性

映画のプロデューサー・ネイト・ムーアが言及したように、コミックではX-MENのストームがティ・チャラと結婚し、ワカンダの女王になるという展開もある。『ワカンダ・フォーエバー』劇中ではラモンダ女王も他界した。シュリはラストの儀式を欠席したことから、王座継承権を放棄したとも考えられる。代わりに現れたエムバクの挑戦がどう転んだかは不明だが、現在ワカンダでは王と女王の座が空いている状態だ。

現時点までにワカンダの王位はワカンダ人しか継げないことになっているが、何らかの形でストームが関与してくる可能性がある。伝統嫌いの革新派シュリの一存で、ワカンダ人以外にも王位が開かれるかもしれないし、そもそもストームがワカンダ人として描かれるかもしれないからだ。

Writer

アバター画像
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly