『ブラックパンサー』監督、続編製作は「止めるほうがつらい」 ─ 故チャドウィック・ボーズマンも「続けてほしいと思っていたはず」

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品『ブラックパンサー』(2018)を手がけたライアン・クーグラー監督は、続編『ブラックパンサー2(仮題)』の撮影を2021年7月に控える。ブラックパンサー/ティ・チャラ役のチャドウィック・ボーズマンは、2020年8月28日に大腸がんのため43歳で逝去。このたびクーグラー監督は、チャドウィック不在の続編に対する率直な心境を明かしている。
本来『ブラックパンサー2』ではティ・チャラの新たな物語が描かれる予定だったが、マーベル・スタジオはチャドウィックの逝去を受け、キャストの交代やチャドウィックのデジタル復活を行わない方針を公式に発表。続編では前作に続いてワカンダを舞台に、前作のキャラクターが掘り下げられるという。
米The Hollywood Reporterにて、クーグラー監督は、『ブラックパンサー』の続編を作ることは「大変」だと口にしている。しかし監督にとっては、製作を続けることこそがチャドウィックへの思いを表現することになっているようだ。
「愛された人を失ってなお、先に進まなくてはいけません。チャド(チャドウィック)は製作を続けてほしいと思っていたでしょうから。彼はチームを本当に大切にする人でした。『ブラックパンサー』は彼の映画です。ほかの誰よりも、僕や女優陣よりも先に、彼がキャスティングされていた。それでも撮影現場では、彼は全員を大切にしていました。」
チャドウィックは『ブラックパンサー』の撮影中、すでにがんとの闘病生活に入っていた。しかし監督によると、そんな中でも「彼は全員の様子をうかがって、みんなの様子を見ていた」という。その日の自分の仕事が終わった後も現場に残り、共演者の演技を手伝うため、カメラの後ろから自分のセリフを口にしていたこともあったそうだ。
「だから、僕にとっては(続編の製作を)やめる方がつらい。実際、彼から“どうしてるの?”って応援されているように思うんです。だから続けるんですよ。」
チャドウィックがこの世を去った時、監督は続編の脚本を執筆しているさなかだった。多くの人々と同じく、チャドウィックの病状を知らされていなかったのだ。チャドウィック自身は病状をクーグラーに知らせたがっていたというが、それよりも先に最期がやってきたということであろう。チャドウィックの逝去について、クーグラーは現在の思いをこう述べている。
「友人として、仕事仲間として、いろんな意味で寂しく思います。僕は映画を観るのが好きだから、彼の次回作が観られないのもつらい。いろんな悲しみがありますが、同時に深い感謝もあります。目を閉じると、彼の声が聞こえてきますから。」
映画『ブラックパンサー2(仮題)』は2022年7月8日に米国公開予定。
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Source: The Hollywood Reporter