『ラ・ラ・ランド』チャゼル監督新作にダニエル・クレイグ&キリアン・マーフィーが交渉中、刑務所を描く物語

『ラ・ラ・ランド』(2016)のデイミアン・チャゼル監督最新作にて、『オッペンハイマー』のキリアン・マーフィーと『007』シリーズのダニエル・クレイグが出演交渉を進めているようだ。米Deadlineが報じている。
チャゼル監督の前作『バビロン』(2022)に続きパラマウント・ピクチャーズ配給となる本作は刑務所を舞台にした物語。チャゼルは監督脚本も執筆し、実生活のパートナーでもあるオリヴィア・ハミルトンとともにプロデュースも手掛ける。
チャゼルが刑務所舞台の物語を製作するニュースは2024年4月時点で明かされており、当時は2025年米国公開予定であると報じられていた。その後、チャゼルはレオナルド・ディカプリオがスタントパーソンのイーベル・クニーベル役を演じる物語など、複数のプロジェクトを検討していたが、スタジオとディカプリオの契約がまとまらなかったことから、本企画に回帰する運びとなった模様。マーフィー、クレイグ両氏との契約が成立すれば、2025年後半に製作が開始となる見込みだ。
前作『バビロン』には1億ドル超えの製作費が投じられたが、世界累計興行収入は6,340万ドルという結果となった。メインキャラクターを演じたマーゴット・ロビーは、「大好きな映画だし、信頼している」と自負しているものの、監督であるチャゼルは興行的にも批評的にも理想的な形で着地できなかったことを認め、次の作品自体作ることができないかもしれないと吐露していた。
一方で、前作から長く時間を経ることなく次回作が進行しているのは、チャゼルが高く評価され、待ち望まれているからに他ならない。ブラッド・ピットが『フューリー』のデヴィッド・エアー監督を再タッグを果たすアクション・アドベンチャー映画『Heart Of The Beast(原題)』のプロデュースも決定しており、今後の創作にインスピレーションを与えることが期待される。
『オッペンハイマー』にてアカデミー賞主演男優賞に輝いたマーフィーは、映画版『ピーキー・ブラインダーズ』や、『28日後…』シリーズの続編となる新3部作『28年後…』にもフルコミットしている。
クレイグは『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』にてジェームズ・ボンド役を退いた後は、『ナイブズ・アウト』シリーズをけん引し、ルカ・グァダニーノ監督による『クィア/QUEER』でもこれまでにない新たな表情を見せてくれている。
チャゼル監督作には、これまで数々のスター俳優が出演してきたが、マーフィーとクレイグも全く引けをとらない存在だ。2人の出演決定という朗報を待ちたい。
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