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中国の映画館が営業再開、初日は観客ゼロも「ずっと閉めているわけにはいかない」 ─ レジェンダリー・ピクチャーズの北京オフィスも業務再開

※画像はイメージです Photo by Macau Photo Agency on Unsplash

新型コロナウイルス(COVID-19)の発端となった中国において、映画館の営業を再開する動きが出てきた。2020年3月16日(現地時間)、中国北西部の新疆ウイグル自治区・ウルムイ市にあるシネマコンプレックス「The Zhongying Golden Palm Cinema」が再オープンしている。米Varietyが伝えている。

The Zhongying Golden Palm Cinemaは1月26日から一時閉館しており、約2ヶ月ぶりに“ゆるやかに”営業を再開。前日には映画館の公式SNSにて、22回の上映を実施することが発表されていた。上映作品として選ばれたのは、中国共産党を称える“愛国映画”の旧作4本と、子ども向けの国産アニメ映画4本だった。

しかしながら、再オープンの当日となった16日夜の時点で、同映画館を訪れた観客はゼロ人。代表者であるディン氏は、現地メディアSohu Entertainmentの取材に対して「人々のウイルス対策への意識は現在も非常に強い」とコメント。新疆ウイグル自治区では、15日夜の時点で、新型コロナウイルスの感染者が27日連続で確認されておらず、現地の自治体と広報局が営業再開の許可を出していた。なお新疆ウイグル自治区では、Golden Palmのほか、シネコン4~5館が再オープンの試みに乗り出しているという。

現在、Golden Palmは3名のスタッフで運営されており、各上映の前後には消毒作業が実施されている。観客は入場前に体温を測り、マスクを着用する必要があるとのこと。突然体調を崩す観客が出ることを考慮し、オンラインでのチケット予約は受け付けておらず、劇場のチケット販売もきちんと距離を取って実施されているという。

ディン氏によると、同館はチケット収入なしで営業を続ける場合、ただ閉鎖しているよりも損失額が大きくなる見込み。しかし、ディン氏は「ずっと閉めているわけにはいきません。我々は公共の通知と連携し、テストを実施し、みなさんからの反応を見ることしかできないのです」と述べている。「新作映画がなければ、映画館を開けていても、閉めていても違いはありません。今は数本しか上映できないので、新作を待つだけです。ゆっくりと進めていきたいと考えています。反応が良ければ少しずつ再開していきますし、悪ければ閉鎖したままになるでしょう」。

なお、中国の映画業界では、ハリウッド版『ゴジラ』シリーズや『名探偵ピカチュウ』(2019)などで知られるレジェンダリー・ピクチャーズが北京オフィスの業務を再開。感染リスクを下げるため、約45人のスタッフは隔日で出勤し、オフィスで同時に業務にあたる人数は20名ほどに制限されている。またオフィスに入る前に全員が健康チェックを受けるほか、公共交通機関の利用は全員が禁じられており、個別に出勤方法が提供されているとのことだ。

Sources: Variety(1, 2), Deadline

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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