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マイケル・B・ジョーダン、『ドラゴンボールZ』からの影響語る ─ 『クリード 過去の逆襲』ユニバース展開に意欲【来日インタビュー】

「日本を満喫しています。こんなに楽しいプレスツアーは初めてかもしれない(笑)。今まで憧れてきた、アニメや漫画の世界についにやってこれた。街の感じや、人や文化も温かい。最高の気分です。」

日本が大好きだと公言するマイケル・B・ジョーダンが、主演・監督を務める『クリード 過去の逆襲』のため、ついに念願の来日を果たした。

来日前には、アメリカのトーク番組で「今度初めて東京に行くんです。楽しみです!アニメが大好きだから、心の中では何度も日本を訪れてきたけど」とウッキウキで語っていたマイケル。日本のアニメが好きすぎて、『クリード 過去の逆襲』では演出の仕方を参考にしたほか、特別なアニメ版『クリード』も製作したほど。

筋金入りの“オタク”であるマイケルに、THE RIVERでは単独インタビュー。アニメ愛や、初監督を行なった裏話、さらには『クリード』ユニバース拡大への意気込みを直接聞いた。

『クリード 過去の逆襲』 マイケル・B・ジョーダン 単独インタビュー

──Instagramのストーリーで、餅つきをしている様子をアップしていましたね。餅はどうでしたか?

超最高でしたよ!美味しかった!たくさんの経験をさせてもらっています。滞在中は、全力でいろんなことを楽しみたい!

マイケル・B・ジョーダンのInstagramより

──日本酒も飲んでいましたね(笑)。

そうそう!めちゃくちゃ美味かった。銘柄は覚えていないんだけど、最高の味でした。

──『クリード 過去の逆襲』では、アニメ的な演出がたくさんあって、観ていてとても楽しかったです。特に『はじめの一歩』からの影響を公言されていましたが、あのアニメがアメリカでも知られているなんて、少し意外でした。

『はじめの一歩』は最近になって知られ始めているって感じなんです。今、アニメはアメリカで……、いや、世界中で注目されるようになっていて、メインストリームになりつつある。これまでの時代は、そんなことはなかったように思います。

『はじめの一歩』は、こっちでは知ってる人は知っているという感じ。クランチロールというアニメの配信サービスで偶然出会う人も多いと思います。でも、まだまだ他のブランドとのコラボレーションが起こっていない。例えば『NARUTO -ナルト-』はたくさんライセンス契約しているので、どこに行っても『NARUTO -ナルト-』を見かけるという状態です。『BORUTO -ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-』もそうです。

『NARUTO』シリーズは長い間、僕たちの身近にあった。『ドラゴンボールZ』もまさにそうで、すごく有名です。それで言うと『はじめの一歩』はまだ初期段階という感じで、アメリカにおける伸びしろはまだこれからだと思います。

──あなたが『はじめの一歩(Hajime No Ippo)』と日本語のオリジナルタイトルで言及しているのが、なんだか興味深いです。これは「The First Step」という意味ですが、あなたにとって日本のアニメを好きになった“はじめの一歩”はどんな時でしたか?

確か8歳か9歳の時だったかな。その時、一番仲が良かったのが兄貴でした。その兄貴がアニメや漫画にハマっててね。その年頃って、なんでも兄貴の真似をしたがるでしょ?兄貴の香水とか服とかを拝借したりとか(笑)。兄貴がハマってるものはなんでも興味が湧いた。だから兄貴の影響でアニメや漫画に出会ったんです。「うわ、ヤバいなこれ」って。

それから数年間かけて、色々なアニメに出会っていって。『NARUTO』とか、『ドラゴンボールZ』とか。アメリカでは週末に放映されてて、毎週楽しみにしていたのに、ある時いきなり放送が切られたりするんですよ。僕が日本のアニメを追うようになったきっかけはそんなところですかね。とにかくどんな手段を投じてでも続きを観たいんだという。

──『クリード 過去の逆襲』では、試合のシーンでスローモーションになってボディーブローをくらう場面がありましたが、あれは『ドラゴンボールZ』の再現ですよね(笑)。

そうそう、そうです(笑)。

──具体的には、悟空対フリーザ戦?

というか、色々混じっています。具体的にこのシーンからの引用だというのはないんですけど、たとえば相打ちパンチになるシーンはいくつかあるでしょう?悟空対ベジータでもあったし、対フリーザ戦でもあった。『ドラゴンボールZ』には、似たような場面が何度かありますよね。そこからアイデアを得たんです。

参考にした場面は他にもあります。頭の中にカタログがある感じ。「あのシーンっぽくやってみたらどうか」と後から気づくんです。何か特定のシーンを参考にしたのではなく、日本のアニメから受けた様々な影響を取り入れている感じです。

──「こういうシーンをやりたいんだ」ってスタッフに説明した?(笑)

アッハッハ(笑)。みんな僕がアニメ好きだってわかってくれているので、いつもアニメの話をしていましたよ。みんなを集めてアニメの鑑賞会も開いてました。鑑賞後は感想を語り合うんです。

アニメにはパララックス(前景のオブジェクトと背景が異なるスピードで動くこと)という表現がよくありますが、これは実写では再現しにくい。たとえば岩が爆発した時に、岩の破片が前景にあり、その後景にいるメインキャラクターにフォーカスが合っていくような映像です。これは実写ではなかなか再現できない。なんとか実現できないかと色々と実験してみたんですが、どうもうまくいかないことが多かった。かなり試行錯誤したので、ボツになったショットはたくさんありますよ。

──映像だけでなく、ストーリーも見応えがありました。アドニスとデイムの関係ですが、悟空とベジータ、ナルトとサスケのような関係を意識したのですか?

その質問はさっきも受けたのですが、僕も言われて気づくというか、自分でもどうだったのかなと考えているところです。アニメでは、ああいうライバル関係ってよく描かれますからね。悟空とベジータ、ナルトとサスケ、それから……。

──ティ・チャラとエリックもそうですよね。

その通り!主人公とライバルの関係は、様々な作品で描かれてきたことです。本作のアドニスとデイムも、それらに通ずるところがかなり大きい。だからすごく自然な、馴染みある物語を楽しんでもらえると思います。

クリード 過去の逆襲
© 2023 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All rights reserved.  CREED is a trademark of Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All rights reserved.

──もしも好きなアニメや漫画を自分で自由に実写化できるとしたら、どの作品をやってみたいですか?(笑)

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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