【本年度No.1邦画最有力】『クリーピー 偽りの隣人』を読み解くための10作品ガイド

黒沢清監督最新作『クリーピー 偽りの隣人』は、黒沢監督の過去作品との類似点が多く、集大成的傑作と言えそうだ。

同時に、日本を代表するシネフィル監督だけに、過去の外国映画からの影響が垣間見えるシーンもしばしば。ここでは、『クリーピー』との類似点や、関連、あるいは単に「『クリーピー』が好きな人にはオススメ」な作品を紹介したい。今年の日本を代表する一本、そのサブテキストになれば幸いである。

『クリーピー 偽りの隣人』関連作集

 『M』(’31 フリッツ・ラング監督)

ベルリンの町に現れた連続殺人鬼の恐怖を描いた傑作スリラー。ラストシーンは『クリーピー』冒頭と酷似。

 

 『ガス燈』(’44 ジョージ・キューカー監督)

夫の洗脳により、狂気に追い込まれていく女性をイングリット・バーグマンが熱演、アカデミー主演女優賞を受賞。

 

 『私の名前はジュリア・ロス』(’45 ジョゼフ.H.リュイス監督)

別人に仕立て上げられて殺されそうになる女性の危機を描いた、B級映画の帝王、初期の傑作。尚、ここでいうB級とは「二本立てを前提にした作品」の意味であり、「おバカ映画」のことではない。

 

 『狩人の夜』(’55 チャールズ・ロートン監督)

映画史上に残るサイコ・キラーをロバート・ミッチャムが怪演。『クリーピー』における玄関の柵ごしの会話は、ミッチャムを彷彿とさせる。

 

『枯葉』(’56 ロバート・アルドリッチ監督)

結婚相手の正気を疑うようになる中年女性の悲哀を描いた、ラブサスペンス。

 

『袋小路』(’66 ロマン・ポランスキー監督)

古城に暮らす富豪夫婦の幸福な生活が、逃走してきたギャングたちによって崩壊していく。

 

『ベロニカ・フォスのあこがれ』(’82 ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー)

主人公の新聞記者は往年の大女優、ヴェロニカを知り合い、やがて財産を狙う医師達が彼女を薬漬けにしていることを知る。

 

『ラルジャン』(’83 ロベール・ブレッソン監督)

感情を一切排した演出で知られる、ブレッソン監督の遺作。誤って偽札犯にされた男が、殺人犯に身を落とすまでを描く。黒沢清の演出術にも影響。

 

『悪魔のいけにえ』(’74 トビー・フーパー監督)

テキサスに潜む殺人一家を描いたホラー映画の金字塔。

 

『ヒア アフター』(2010 クリント・イーストウッド監督)

洪水を生き延びた女性と、兄を亡くした少年、霊能者の3人が癒しを求めて不思議な力で引き寄せられていく。ストーリーに関連はないが、とある男女間の行為が『クリーピー』と酷似。 

About the author

京都在住、農業兼映画ライター。他、映画芸術誌、SPOTTED701誌などで執筆経験アリ。京都で映画のイベントに関わりつつ、執筆業と京野菜作りに勤しんでいます。

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