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ゾンビウイルス元感染者と社会の衝突描く『CURED キュアード』予告編 ─ 監督「メディアや政治家が恐怖を煽ること、どんな病気よりも有害だ」

CURED キュアード
©Tilted Pictures Limited 2017

ゾンビ・パンデミックの終焉後、“元感染者”はいかにして社会復帰するのか。新たな視点でゾンビ映画を捉え直したCURED キュアードより予告編と新たな場面写真が公開された。あわせて、脚本・監督を務めたデヴィッド・フレインのコメントも到着している。

人間を凶暴化させる新種の病原体「メイズ・ウイルス」のパンデミックで、アイルランドは大混乱に陥った。それから6年後、治療法の発見で社会は秩序を取り戻す。治療効果が見られない25%の感染者は隔離施設に監禁され、治癒した75%は“回復者”として社会復帰を果たしたのだ。回復者の若者セナンは、シングルマザーである義姉アビーのもとに身を寄せるが、回復者を恐れる市民の抗議デモは激しさを増す。理不尽な差別に回復者は不満を募らせ、社会への復讐テロを計画する者もいた。そして、怒りと憎しみの連鎖は新たな恐怖のパンデミックを招き寄せる……。

CURED キュアード
©Tilted Pictures Limited 2017

「奴らはもう人間じゃない」「悪夢は見るか? 人を噛み殺してたんだ、当然だな」。元感染者への差別が渦巻く社会で、回復者たちは「人権を与えろ」「人間として生き抜くために戦うしかない」と抵抗の意志を示していく。元感染者たちは、無差別に他者を噛み殺したという忌まわしい記憶を持ち、耐えがたいPTSDに苛まれている。彼らは真の人間性を取り戻せるのか、そして社会は彼らを受け入れられるのか。

アイルランドの新人監督デヴィッド・フレインは、ゾンビ・パンデミックの終焉後を題材にオリジナル脚本を執筆。人種差別、宗教対立、移民問題などで分断された現代社会の状況を生々しく反映するものとして作られた本作は、期せずして、今まさに世界で起きている問題をも撃つ一本となった。

CURED キュアード
©Tilted Pictures Limited 2017

監督・脚本:デヴィッド・フレイン コメント

映画製作者としての私の情熱は、常に気の利いたジャンル映画を作ることにあった。ゾンビものに病的なくらい魅せられていた。現代の社会問題を見事に反映することのできるジャンルだからだ。そんなゾンビ感染に治療法があったらと考え始めたら、止まらなくなった。治るという状況は、元ゾンビにとってどんなものになるだろう?

治癒しても感染していた頃の行いの記憶に悩まされるという概念は、恐ろしく、とりわけ悲痛なものだった。その思いは私の心の中で渦巻き続けた。家族は元ゾンビを受け入れるだろうか? 本当にまた人間になれるのか? 登場人物を造形し、それを基盤にして『CURED キュアード』の世界を作った。

私はヨーロッパ中に救済措置と抗議が広がっていた頃、この脚本を書き始めた。当時も存在し、今でも残る激しい怒りの空気が私の執筆を焚きつけた。あれは自分には手に負えないことによって苦しめられ、責任を取らされるということに他ならず、それは本作の元ゾンビたちとまったく同じだった。彼らの行動に対する責任と罪はどこにあるのか。そして、記憶に取り憑かれている本人にとって、そんなことは本当に重要なのだろうか?

また、私はメディアや政治家が自らの目的のため、いかに人々の恐怖心を煽るかにも興味を抱いた。その恐怖の対象が移民、宗教、ジカ熱など、いずれであっても。そうした行為は怒りと分裂の雰囲気を作り出し、どんな病気よりもはるかに有害だ。このように恐怖を誇張する行為が『CURED キュアード』の世界の基礎を築いている。要するに『CURED キュアード』は恐怖についての話だ。感染した者の恐怖や感染する恐怖だけではない。自分の中にある恐怖、すなわちそれは恐怖に苛まれる中での自分たちの無力さによる恐怖なのだ。

CURED キュアード
©Tilted Pictures Limited 2017

ジャーナリストのシングルマザー、アビー役は『JUNO/ジュノ』(2007)『インセプション』(2010)のエレン・ペイジ。ゾンビに夫を殺された失意の中、幼い息子を養い、回復者の義弟セナンを受け入れる女性の心情を繊細に表現。本作では主演・製作を兼任した。そのほか、出演者には『ハイドリヒを撃て! 「ナチの野獣」暗殺作戦』(2016)サム・キーリー、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)エボニー・マウ役のトム・ヴォーン=ローラー、「レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー」ポーラ・マルコムソンなど、アイルランド&イギリスの実力者が揃った。

ギャラリー

映画『CURED キュアード』は2020年3月20日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開

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THE RIVER編集部
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