映画『スター・ウォーズ／フォースの覚醒』（2015）に始まった『スター・ウォーズ』新3部作で主人公レイを演じているのは、起用当時まだ無名だったイギリスの女優デイジー・リドリーである。

最新作『スター・ウォーズ／最後のジェダイ』の劇場公開を控え、彼女は今後のシリーズ出演についてある意思を示している。それは、完結編となる『スター・ウォーズ／スカイウォーカーの夜明け』を終えた後、再びレイを演じる意思がないということだった。

『スター・ウォーズ』今後も継続、レイは登場せず？

シリーズを統括するルーカスフィルムは、新3部作の完結を前にして、早くも新たな3部作の始動を明らかにしている。『最後のジェダイ』を手がけたライアン・ジョンソン監督による、この3部作はスカイウォーカー・サーガとは異なるものになるようだが、その内容はわからない。レイの出自は未だ判明していないほか、キャスリーン・ケネディ社長は今後の『スター・ウォーズ』でレイの物語を広げる可能性も示唆しているのだ。

しかし米Rolling Stone誌のインタビューにて、デイジーは新3部作の完結後にレイを演じるつもりがないことをはっきりと明言している。

「いいえ、演じません。（レイ役が決定した当時）私は何に契約したのかすら知らなくて、脚本も読んでいませんでした。でも言えることは、すごくナイスな人たちが携わっていて、最高の気持ちだったということですね。自分が理解していた以上に幸運なんだと今では思いますし、（『スター・ウォーズ』に）参加することは、今では家に帰ってくるようですよ。」

いいえ、と言いつつ肯定的な発言を残しているデイジーだが、それでもレイ役を再演しないという意思は現時点で固いようだ。

「いいえ、やりません、やりませんよ。私は3作目で（新3部作を）締めくくるのが、本当に、すごく楽しみなんです。だって結局のところ、私がサインしたのは3本の映画ですしね。だから私の中では3作品なんです。終わらせるにはふさわしいタイミングだと思いますよ。」

かつて『フォースの覚醒』の撮影時、監督のJ.J.エイブラムスから、デイジーはレイの出自を聞かされていたという。レイをめぐる物語の真相はあらかじめ決められており、『スター・ウォーズ／スカイウォーカーの夜明け』では無事に決着がつくのだろう。またデイジーは、きっとストーリーとは別に、自分がレイというキャラクターを演じることの期限を意識していたのではないだろうか。

その根拠というにはやや弱いだろうが、デイジーは『スター・ウォーズ』の合間に意欲的な活動を示している。アガサ・クリスティの名作ミステリーを映画化した『オリエント急行殺人事件』（2017年12月8日公開）、トム・ホランドと共演するダークなSF映画『カオス・ウォーキング（原題：Chaos Walking）』、ウィリアム・シェイクスピアの『ハムレット』を原案とした『オフィーリア（原題：Ophelia）』。レイ役のイメージを吹き飛ばさんばかりの作品選びは、『スター・ウォーズ』をきっかけに『スター・ウォーズ』を打ち破ろうとする強い意思の現れであるかのようだ……。

もっともマーク・ハミルやハリソン・フォード、キャリー・フィッシャーが『スター・ウォーズ』に舞い戻ったように、新3部作を引っ張った若い出演者たちも、いずれなんらかの形で再登場を果たすことになるかもしれない。ひとまずは“今のところ”、デイジーが『スター・ウォーズ／スカイウォーカーの夜明け』のあとにレイを演じることはないものと思っておくのがよさそうだ。

映画『スター・ウォーズ／最後のジェダイ』は2017年12月15日より全国ロードショー。

Source: http://www.rollingstone.com/movies/features/the-last-jedi-cover-story-on-the-dark-new-star-wars-movie-w512703
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