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「デアデビル:ボーン・アゲイン」第4話で言及されたのはラトビア、ドクター・ドゥームはラトベリア

デアデビル:ボーン・アゲイン第4話「司法にはかくあるべし」
(c) 2025 Marvel

この記事には、「デアデビル:ボーン・アゲイン」第4話「司法にはかくあるべし」のネタバレが含まれています。

デアデビル:ボーン・アゲイン第4話「司法にはかくあるべし」
(c) 2025 Marvel

「デアデビル:ボーン・アゲイン」第4話「司法にはかくあるべし」で、ニューヨーク市長となったキングピン/ウィルソン・フィスク。ニューヨークの秩序を取り戻すと豪語し公務にあたるフィスクはこの日、小学校を訪れていた。市長の訪問に応えるため、子どもたちはスターシップの名曲「We build this city」の合唱で歓迎する。ところが、その歌唱にはまとまりがなく、安心して聞けたものではない。これまであらゆる非道行為を行なってきたフィスクが、ちょこんと座って子どもたちの下手な合唱を聴かされているという痛快な皮肉が込められたシーンだ。

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やっと曲が終わると、フィスクは大袈裟に拍手をして立ち上がる。教員がもう一曲あると紹介すると、フィスクは「今ので十分だ」と言い、逃げ出すように教室を離れる。

フィスクそのまま向かったのは、クイーンズに位置するラトビア文化センター。この日は「ラトビアの文化の日」で、フィスクはセレモニーに招待されていたのだ。しかし直前の苦痛な合唱と、クリーングリーン社との大事な会合がリーク騒動の懸念により延期されたことを受け、フィスクは「どうでもいい」「気が進まん」と苛立っている。

部屋に招待されると、その壁際に集まっていたラトビアの人々が、民族衣装と共に合唱でもてなす。楽曲はまたも「We build this city」だ。今度はまだまともな歌唱だが、フィスクの表情には明らかにストレスが蓄積されており……。

いや、これは『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』への伏線ではない

ラトビアの登場を受けて、これは『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』につながる重要な伏線だ!と興奮した方がいれば、それは早合点だ。ドクター・ドゥームが収める王国として知られるのは“ラトベリア”であり、今回登場した“ラトビア”とは全く別である。

ラトビアは北ヨーロッパに位置する実在の国であり、エストニア、リトアニアと並ぶバルト三国の一国である。ちなみにマーベル・シネマティック・ユニバースにラトビアが登場したのはこれが初めてではなく、ドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」でも、首都リガが物語の主な舞台のひとつとなった。一方、ドクター・ドゥームに関係するラトベリアは架空の小国であり、まだMCU内で言及されたことはない。ところで、このシーンでわざわざラトビアが選ばれたのは何故だろう?

実は、ラトビア(Latvia)とラトベリア(Latveria)は発音もよく似ているため、海外のファンの間でもしばしば混同される。イースターエッグの存在が探されるマーベル作品とあって、今回のエピソードについて『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』につながる伏線だ!と早合点したファンも少なくない。米ScreenRantは、二国を取り違えたファンたちがいかに多いかを伝えている。

実際に米Forbsは、これをラトベリアだと勘違いして解説記事を書き始めたところ、執筆途中にラトビアの勘違いだったと気付いたことを認めている。「正直に言うと、やられました。私はMCUがいかにしてラトベリアがアース616に存在することを明かしたかについての記事を進めていましたが、別の国であると気づきました。誇らしいことではありませんが、でも間違った記事を書かずに済みましたよ」。

今の所「デアデビル:ボーン・アゲイン」のMCU的なイースターエッグ要素は控え目で、キングピンが目の敵にするニューヨークのヴィジランテたちの中にスパイダーマンも含まれている、といった程度にとどめられている。他作品への言及はワクワクするお楽しみの一つだが、それよりも、この地に足ついた硬派な世界観のまま独自の魅力を貫き通して欲しい。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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