『バットマン:ダークナイト・リターンズ』カバー原画が3億円超で落札、バットマン作品最高額

アメリカン・コミック史に残る傑作として知られる『バットマン:ダークナイト・リターンズ』1号の象徴的なカバーアート原画が2022年6月16日、米オークションにて240万ドル(3億円超、1ドル135円換算)で落札された。
フランク・ミラーがライターを、リン・バーレイが着色を行ったDCコミック『バットマン:ダークナイト・リターンズ』は、1986年に米刊行されたバットマンの重厚な物語。バットマンを引退したブルース・ウェインが東西冷戦期を舞台に世界的脅威やジョーカーと戦うハードボイルド的な作品で、映画『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)にも影響を与えたことで知られる。同じく1986年に登場した『ウォッチメン』と並び、大人の読者を唸らせる傑作グラフィックノベルとして、アメコミ潮流を決定的に変えた作品として讃えられている。
米Heritage Aucitonsで落札されたのは、嘶く稲光をバックに、“ダークナイト”のシルエットが闇夜に飛び立とうとする有名なカバーアートの原画。240万ドルという落札価格は、フランク・ミラー作品として、バットマン作品としても史上最高額となる。これまで、ニール・アダムスによる1973年の『Batman #251』原画が60万ドルで取引されたことがあったが、今回は文字通り桁外れの落札額となった。
Heritage Aucitonsは、この伝説的コミックについて「スーパーヒーロージャンル全体のストーリーテリングの可能性に対する深み、トーン、そして幅を再定義し、世界中のポップカルチャーにおける映画世界に主要な影響を与える道を切り開いた」「コミックがファインアートに移行したことを示す、大胆な構図と美しい描写で、ストーリーのテーマとトーンを絵的に決定付けるもの」と説明。スーパーヒーローものやアメコミ作品の世界に落ちた一筋の力強い稲妻である『バットマン:ダークナイト・リターンズ』は邦訳コミックもリリースされているので、この機会にその重厚な世界に触れてみては。
Source:Heritage Aucitons