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デヴィッド・リンチ、『フェイブルマンズ』出演の条件は「チートス」 ─ 「食べだしたら止まらない」

Mike Mozart https://www.flickr.com/photos/jeepersmedia/14061793069/ | Georges Biard https://commons.wikimedia.org/wiki/File:David_Lynch_Cannes_2017.jpg | Remixed by THE RIVER

『ツイン・ピークス』の巨匠デヴィッド・リンチが、スティーブン・スピルバーグ監督『フェイブルマンズ』(2022)に出演する条件は「チートス」だった……。英Empireにて、リンチ本人がチートスへの愛情を語った。

スピルバーグの自伝的作品『フェイブルマンズ』でリンチが演じたのは、“西部劇の神様”と呼ばれる伝説の映画監督ジョン・フォード。当初、スピルバーグは別の役者を起用しようと考えていたが、脚本を執筆したトニー・クシュナーの夫であるマーク・ハリスの提案で、リンチが第一候補となった。ところが、リンチは俳優業から距離を置いており、なかなかオファーを引き受けようとしなかったという。

そこでスピルバーグは、リンチの親友で女優のローラ・ダーンに「デヴィッドを説得してほしい」と頼み込んだ。リンチはダーンの電話を受け、とうとう出演を承諾したという。しかしその条件が、コーンスナック「チートス」を撮影現場に置いておくことだったのだ。リンチ自身はこう語る。

チートスがナンバーワン。大好きで、機会があれば買っています。まあ、健康食品ではないことは知っているから、どこかに出かけてチャンスがあれば……とはいえ、しょっちゅう買うわけじゃないですが。ただ、買うなら大袋がいい。一度食べ始めたら、なかなか止まらなくて、かなり食べなきゃいけないから。小袋だと、もっと欲しくて何日もさまよってしまう。素晴らしい味だと思う。」

もっとも、リンチは自身の出演シーンを「とても気に入った」という。スピルバーグ自身をモデルにした主人公サミー・フェイブルマンに、ジョン・フォードが与えた“水平線を画面の真ん中に置くな”というアドバイスにも同意しているのだ。

「おそらくジョン・フォードは、あの若い青年にちょっとした教育を施すためならいろんなことを言えたのでしょう。しかし、彼は水平線を選んだ。それは正しいですよ、画面の中央に水平線があるなんて最低につまらないから。」

というわけで、リンチが出演を引き受けたのは登場シーンとチートス……ということになりそうだが、スピルバーグはマーティン・スコセッシを相手に、リンチがこっそりと提案していた“もうひとつの条件”を明かしている。それは、フォード役の衣装を撮影の2週間前から借りておき、毎日着ながら生活すること。服に帽子、眼帯まですべてを着用して日々を過ごしたリンチは、撮影現場に「かなりぼろぼろの格好で」現れたという。

Source: Empire, The Playlist, Deadline

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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