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スピルバーグ、『フェイブルマンズ』で燃え尽き?「これから何をしたらいいのか分からない」と漏らす

スティーブン・スピルバーグ
Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/35355058574/

スティーブン・スピルバーグ監督はキャリア初期の1970年代から現在に至るまで、コンスタントに優れた作品を輩出してきた。間もなく最新作『フェイブルマンズ』が日本公開を迎えるが、実はその次回作のアイデアが浮かばないのだそうだ。ベルリン国際映画祭の記者会見でのコメントを米Deadlineが報じている。

最新作『フェイブルマンズ』は、映画に心を奪われた1人の少年の成長と夢を追う姿を描くドラマで、スピルバーグ本人の少年自身が投影された半自叙伝的作品だ。第80回ゴールデングローブ賞で作品賞と監督賞を受賞し、第95回アカデミー賞でも作品賞、監督賞などにノミネートされている。その前作となった『ウエスト・サイド・ストーリー』(2021)はブロードウェイミュージカルの定番作品『ウエスト・サイド物語』の2度目の長編映画化として、スピルバーグらしさをスクリーンいっぱいに放った。

しかし報道陣から「次はどんな作品を撮るのですか」と問われたスピルバーグは「できればいいんですけどね…」と言葉を詰まらせている。

「私は立て続けに2作品に相当没頭していたんですよね……。2作品が終わったら何をしようか、考える機会がありませんでした。だからここであなた方の前に座って言います、『次に何をしたらいいのか分からない、アイデアがないよ』と。」

どうやらスピルバーグはこの2作品に全身全霊を注ぎすぎたあまり、次の予定が白紙となっているようだ。スケールの大きい2作品を連続で手がけた上に、『シカゴ7裁判』(2020)『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』(2023)など製作総指揮で関わっている作品もあったため、企画を考える時間ないのも無理はない。しかし、新作映画を作りたい想いはある様子だ。

「いい気分のようでもありますし、同時に恐ろしい気分にもなります。自分の人生を再度コントロールして、現実の生活において選択をするというのは素敵なことです。だけど私は仕事をする必要があるし、仕事が大好きですから、今年いっぱい使って、次やることを探し出すことが最大の課題ですね」

同じくベルリン国際映画祭のインタビューでは故スタンリー・キューブリック監督未完のナポレオン伝記映画プロジェクトが進行中だと公言したスピルバーグ。かねてから希望していたTVシリーズの製作ではあるものの、それとは別で映画こそが情熱の源泉なのだろうか。コロナ禍で危機に瀕した映画業界を『トップガン マーヴェリック』が救ってくれたと主演のトム・クルーズを激励したことも話題になったスピルバーグが、次の素晴らしいアイデアに出会うのを気長に待ちたい。

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Source:Deadline

Writer

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Yuka ShingaiYuka Shingai

携帯向け音楽配信事業にて社内SE、マーケティング業務に従事した後、妊娠・出産を機にフリーライターに転向。 映画とお酒と化粧品が好き。日課のオンライン英会話でもしょっちゅう映画の話をしています。