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「DCエクステンデッド・ユニバース」という名称、実は公式名称ではない? ― 2015年米誌記事が初出、全世界のメディアに激震か

DCコミックス
The DC logo is a trademark of DC Comics.

ワーナー・ブラザース/DCコミックスが、DCコミックス作品を原作に製作・発表している映画シリーズの名称「DCエクステンデッド・ユニバース」が公式名称ではなかったことが明らかになった。米Vultureの記者エイブラハム・リースマン氏が、同ユニバースについての記事を手がける過程で判明したとしてTwitterにて報告している。

「DCエクステンデッド・ユニバース」非公式名称だった?

リースマン氏が執筆したのは、先日THE RIVERでもご紹介した「DC映画ユニバースの新機軸」に関する内容を含む記事。この記事の取材過程で、米ワーナー/DCの関係者は「DCエクステンデッド・ユニバース」という名称を使っていないこと、またこの名称が非公式であることが伝えられたというのだ。しかしその時点で、ワーナー/DCも名称の由来を把握していなかったという。

その後、リースマン氏は調査によって「DCエクステンデッド・ユニバース」という名称の初出を突き止めている。それは米エンターテインメント・ウィークリー誌のウェブサイトにて2015年7月1日に掲載された記事で、執筆者はキース・スタスキーヴィッチ氏だった。

自身のウェブサイトもTwitterも存在しなかったスタスキーヴィッチ氏だったが、リースマン氏は彼のFacebookを発見して「DCエクステンデッド・ユニバース」という名称について尋ねたという。するとスタスキーヴィッチ氏は、その名称が「ジョークだった」と認めたというのだ。

「記事で使った時は自分が作ったフレーズでした。それが、みんなに使われるものになってしまったんだと思います。今になって見返したところ、(私の考えでは)茶化すために付けた商標登録マークに気づきました。」

確かにエンターテインメント・ウィークリー誌の記事には、「DCエクステンデッド・ユニバース™」という表記が見てとれる。あくまでジョークとしての名称が、さも公式名称かのように扱われたというわけだ。リースマン氏はこの報告を「ジョークを言ってはいけない。ジョークとして受け取る人はいないから」という教訓で締めくくっている

今後の名称は?国内外メディアに混乱の可能性

今や海外のみならず、日本でも「DCエクステンデッド・ユニバース」という名称は公式のものであるかのように使用されている。映画『ジャスティス・リーグ』の関連リーフレットには「DCフィルムズ・ユニバース」という名称が使われた例もあるが、今後あらゆる媒体でどのような名称が使用されるのかは未知数だ。なにせ日本ワーナー・ブラザースのウェブサイトにも「DCエクステンデッド・ユニバース」という名称が使用された記事は存在するのである。

また海外メディアに目を転じると、この報告を受けて「DCフィルムズ・ユニバース」という名称をひとまず使用すると宣言した媒体もあれば、判断を保留している(今後の方針を明言していない)媒体も少なくない。複数の名称が使用される可能性もあり、ともすれば混乱が生じることにもつながりそうだ。今後の動向には注意が必要だろう。

なお2017年10月2日(日本時間)現在、米ワーナー・ブラザース/DCコミックスはユニバースの正式名称を告知していない。もはや公式発表が一番の解決になりそうなだけに、なんらかの動きがあることを期待したい。なぜならエンターテインメント・ウィークリー誌から始まった騒動である以上、もはや公式発表がない限り、リースマン氏による報告すら100%は信じがたい状況なのだ……。

Sources: https://twitter.com/abrahamjoseph/status/913786549841612800 (*THREAD)
https://batman-news.com/2017/09/30/dc-extended-universe-not-official/
http://www.slashfilm.com/dc-extended-universe-name-is-a-joke/

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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