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【全訳】新DCユニバース第1章『Gods and Monsters』大発表 ─ DCがリセット、新作10タイトルと注目ポイント解説

https://youtu.be/wY8XcmrIujE

ポイント解説

ジェームズ・ガンはこの発表の中で、いくつかの重大な方針をついに明らかにしている。

旧シリーズの扱いについて

これまで注目されていたのは、既存のシリーズがリセットされるのかどうかだ。ガンは映画『ザ・フラッシュ』をもって「ユニバース全体をリセットする」と明言。もともと同作は、コミックでも新シリーズ「NEW 52」に向けたリブートの布石となった『フラッシュポイント』が原案のひとつになっているとされている。映画リブートの起爆剤とするにはこの上ない作品となる。

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ただし懸念は、その後に控える『アクアマン』続編『アクアマン・アンド・ザ・ロスト・キングダム』や『ブルービートル』が消化試合のように見えてしまうことだ。旧シリーズは『ザ・フラッシュ』で区切りを迎えるので、両作は新発表シリーズの間の繋ぎとなってしまう。ガンは『アクアマン』続編について、新シリーズに繋がっていくと短く触れているが、これらはマルチバースの設定を活かして、新シリーズとの橋渡し的な役目を与えて盛り上げる必要があるだろう。

また、優れた成績を収めた『THE BATMAN -ザ・バットマン-』と『ジョーカー』は既にそれぞれの続編やスピンオフが計画されているが、これはこれとして続行。「DCエルスワールド」とのラベリングで区別されることもわかった。

新シリーズの注目タイトル

マーベル・シネマティック・ユニバースでは物語の大きな流れを「サーガ」、さらに「フェーズ」と分けて展開しているが、DCUは「チャプター」と区別する戦略。第1章は『Gods and Monsters』との名が与えられた。

全体的に新規タイトルばかりだが、注目は『ウォラー』だ。全ての企画の出演者は未発表だが、唯一ヴィオラ・デイヴィスのアマンダ・ウォラー役続投だけがアナウンスされた形。つまり、ガン自身が監督を務めた『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)と「ピースメイカー」の事実上の続編となることが予想される。『ザ・スーサイド・スクワッド』と「ピースメイカー」は旧シリーズ内の作品なので、他の新作とどう整合性を保つのかに注目だ。もっとも、マルチバース設定があるので、厳密には何とも言えないわけだが。

また、DCファン待望となる企画も多数発表されている。バットマンの『ブレイブ&ボールド』ではファン人気高いダミアン・ウェインが登場。5代目ロビンが実写でスクリーンデビューを初めて果たすことになる。

「ブースターゴールド」はコミックで人気のキャラクターを描くタイトル。企画は2016年ごろから長らく噂されていたものだ。ほか、「スワンプシング」は今はなき配信サービス「DCユニバース」で2019年に一度実写ドラマ化されている。『死霊館』シリーズや『アクアマン』(2018)のジェームズ・ワンが製作総指揮を務め、ファン評価も上々だったが、第1話が配信された直後にいきなり打ち切りが発表されるという泥沼に沈んでいた。ガンはこれをすくい上げ、新たな映像化に挑む。

ガンの紹介方法で注目したいのは、人気ドラマ作品を例えに持ち出していることだ。「ランタンズ」は「TRUE DETECTIVE/トゥルー・ディテクティブ」風、「パラダイス・ロスト」は「ゲーム・オブ・スローンズ」風になると予告。これまでのDC映画やドラマは基本的にスーパーヒーローものの在り方に忠実なものが多かったため、異なるジャンルの作風を取り入れながら、ストーリーテリングに幅を持たせる展開に期待できそう。

ファンにとっては、これからも期待と不安が続くことになりそうだ。『スーパーマン レガシー』と『ブレイブ&ボールド』では、まず間違いなくスーパーマン役とバットマン役の新キャストを迎えることになるだろう。ヘンリー・カヴィル&ベン・アフレックから誰がこれらのスーパーヒーロー役を継ぐことになるのだろうか。『スーパーマン レガシー』は2025年7月11日の米公開というので、かなりザックリだが2024年に撮影開始となりそうで、2023年中には主要キャストの発表くらいあってもいいはずだ。また、セミッシラが舞台になるドラマ「パラダイス・ロスト」でも、ワンダーウーマンが新キャストと共に姿を見せる展開も予想できる。

ドラマ、アニメは日本でも観られる?

ところで日本のファンとしてちょっとだけ懸念なのが、これだけ映画やドラマ、アニメが連動すると予告されている以上、すべての作品をきちんと視聴できそうかということである。同じように映画・ドラマ連動のMCUではディズニープラスにさえ加入していれば良いが、DCの場合はどうか。

本国でHBO放送やHBO Max配信となった作品は、現在国内ではU-NEXTが独占パートナーシップ契約のもと配信している。「ピースメイカー」もU-NEXT独占だ。この提携が今後も継続される前提でいえば、DCファンはU-NEXTが必須ツールとなりそうである。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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