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映画とデジタル死者蘇生 ─ 『アベンジャーズ』サミュエル・L・ジャクソンは「最高だね」と好意的

キャプテン・マーベル
MARVEL/PLANET PHOTOS 写真:ゼータ イメージ

ドナーカードというものがある。自らの死後、臓器を提供する意志の有無を示しておくものだ。

近い将来、俳優は「自らの死後の容姿の提供」の意志を示しておく必要が生じるかもしれない。亡くなった俳優をデジタル技術でスクリーンの中に蘇生させる事例が現れ始めたからである。

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)では、1977年の『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』に限りなく近い姿でターキン総督が登場。演じたピーター・カッシングは1994年に亡くなっているため、よく似た俳優(ガイ・ヘンリー)を起用してヘッドマウント・カメラを装着した状態でターキンを演じてもらい、後からその頭部もCGでターキンに書き換えた

ここで生じた問題があった。死者を映画で蘇らせて仕事をさせるという、これまで全く検討されたことのない倫理問題だ。『スター・ウォーズ』シリーズは主要キャラクターのひとりであるレイア・オーガナ役キャリー・フィッシャーを亡くしているが、ルーカスフィルムは2019年公開予定の『エピソード9(仮題)』でキャリーをデジタル蘇生させるつもりがないとの見解を発表している。この時ルーカスフィルムは、「彼女がスター・ウォーズに与えてくれたすべてに対し、ずっと敬意を払って参ります」と添えていることから、本人の同意なしに俳優を死後使い続けることに対して憂慮しているようにも見える。

同じくディズニー傘下のマーベル・シネマティック・ユニバースでは、2019年3月15日公開の『キャプテン・マーベル』で同技術を用いた革新的な試みを見せる。1990年代を舞台とした同作では、シリーズおなじみのサミュエル・L・ジャクソン(ニック・フューリー役)がデジタル技術で25歳若返った姿で登場するのだ。1998年の出演作『交渉人』の姿をもとに造形されたという若きサミュエルについて、製作社長ケヴィン・ファイギは「ある場面で(若い姿を)ちらりと見せるのではなく、ずっとその姿のままという最初の映画になるでしょう」と期待を寄せている

演じるサミュエル自身は米The Hollywood Reporterの取材に対し、「いつか自分がデジタル蘇生されたらどう思うか」との問いに「最高だね」と好意的。本人の同意が取れている場合は良いが、デジタル死者蘇生には今後しばらく倫理的な問題が付きまとうことになりそうだ。大手スタジオは今後、「万が一の死後のデジタル蘇生を認めるか」との条項を契約書に加えるべきかもしれない。

Source:THR

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER編集長。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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