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【詳報】ディズニー、ボブ・アイガー氏のCEO復帰で組織再編へ ─ 電撃交代の背景、従業員へのメッセージほか

ボブ・アイガー
Photo by Thomas Hawk https://www.flickr.com/photos/thomashawk/20667236976/ Remixed by THE RIVER

米ウォルト・ディズニー・カンパニーのCEOとして、ボブ・アイガー前CEOが復帰した。2020年2月以降、CEOを務めていたボブ・チャペックはすでに退任している。

アイガー氏は40年以上にわたりディズニーで勤務し、2005年から2020年2月まで社長兼CEOを務めていた。CEOの退任後も、2021年12月までは会長職に残留。それから1年足らずで、再びCEOの座に就くこととなった。契約期間は2024年12月31日までの約2年間で、ディズニーの経営状態を好転させるのみならず、後任者を探すことも大きな責務となる。

就任が報じられたのは2022年11月20日(米国時間)。翌21日、アイガー氏は、今後数週間のうちに組織的・経営的再編を開始し、数ヶ月以内に新体制を確立することを従業員に通知した。新体制では意思決定がアイガー氏のチームに戻り、コストの合理化が図られる。これに伴い、チャペック前CEOが2020年10月に設立した配信・広告部門「ディズニー・メディア&エンターテイメント・ディストリビューション(DMED)」は再編され、同部門の会長だった(チャペック前CEOの右腕だった)カリーム・ダニエルの退任も決定。ダニエル氏はディズニーを離れるという。

アイガーCEOから従業員へのメッセージ

DMEDの従業員に対し、アイガー氏は「もちろんDMEDの要素は残りますが、この会社を動かすものはストーリーテリングであり、それが我々のビジネスの中心であるというのが私の基本的な考え方です」と説明。新体制の確立までは、既存の体制下で指揮を取ることを強調した。

アイガー氏は再就任の直後から、すでに従業員に対して2度のメッセージを送っている。最初のメッセージでは、CEOの復帰に「大きな感謝と謙遜、そして少しの驚き」があったと記し、従業員への感謝を述べた。

「過去3年間、みなさんに多くを求めてきたことを理解していますし、困難な時期は今も続いています。けれど以前もお伝えした通り、私は楽観主義者です。ディズニーでの日々からひとつ学んだことがあるとすれば、それは不確実性に直面した時でさえ──おそらくは不確実性に直面した時にこそ──従業員やキャストのみなさんは不可能を可能にできるということ。[中略]みなさんと、みなさんの献身のおかげで、ディズニーは世界中の人々にとって特別な存在となっています。最高のストーリーテリングを通じて喜びを届けるというミッションが、私に毎日刺激を与えてくれるのです。

また、DMEDの従業員に向けられた2度目のメッセージでは、「私たちの心と魂、創造性を称え、敬意を払う形で再編を行いたい」との意向を示し、「現在、我々の業界は大きな変化と挑戦の時期にあります。私たちの仕事も、効率性や費用対効果の高さに焦点を合わせることになる」と記した。

「私たち(ディズニー)が新しい100年間を始めるにあたり、今は変化とチャンスの時です。私はこのチームを再び指揮することを光栄に思いますし、みなさんによる日々のすさまじい仕事ぶり、世に知られるディズニーのレベルの高さを維持する努力には感謝してもしきれません。変化は不安定を呼ぶものですが、必要なもの、力を与えてもくれるものです。再編の計画をどうかご了承ください。」

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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