『デッドプール2』降板の前監督、『ファンタスティック・フォー』ザ・シングの登場を構想していた ─ ヒロイン・ヴァネッサはミュータントに変身

ライアン・レイノルズ主演、マーベル映画『デッドプール2』(2018)の初期構想を、前作『デッドプール』(2016)を手がけたティム・ミラー監督が明かした。当初、ミラー監督は続編にも登板する予定だったが、諸事情によって降板。もっとも『デッドプール2』からの離脱は友好的だったようで、20世紀フォックスとは『ターミネーター:ニュー・フェイト』(2019年11月8日公開)でもタッグを組んでいる。
この記事には、映画『デッドプール2』のネタバレが含まれています。

米The Playlistによると、ミラー監督は、完成版の核となっているラッセル・コリンズ/ファイヤーフィストとデッドプールの関係性を映画の中心に据えることを当初から決めていたとのこと。ミラー監督の降板後、『アトミック・ブロンド』(2017)のデヴィッド・リーチ監督が就任したあとも、このアイデアは残されたということだろう。
もっとも、ミラー監督の構想していた『デッドプール2』は、リーチ監督による完成版とは大きく異なるものだったらしい。ジョシュ・ブローリンが演じたケーブルの身長はコミックに忠実な6フィート7インチ(約2メートル)を希望していたというし、映画の終盤には「ファンタスティック・フォー」のザ・シングを登場させようとしていたのである。
『デッドプール2』のクライマックスでは、デッドプールやケーブルらの前に、凶暴なミュータントのジャガーノートが出現する。ミラー監督の構想でも、本作にジャガーノートが登場するという筋立ては同じだった模様。しかし異なるのは、クライマックスでザ・シングとジャガーノートを対決させるつもりだったということだ。監督は20世紀フォックスとの間で、ザ・シングを登場させる許可を得ていたという。
ミラー監督が『デッドプール2』にファンタスティック・フォーを登場させる構想だったことは、以前、当時のコンセプトアートが公開されたことでも明らかになっていた。もしも実現していれば、そのうちのひとり、ザ・シングが大きな役割を担っていたわけである。コンセプト・アーティストのアレクサンダー・ロザーノ氏いわく、ミラー監督はザ・シングをコミックに忠実なデザインで描くことに強いこだわりを示していたそうだ。
ちなみにミラー監督は、モリーナ・バッカリン演じるヒロインのヴァネッサについても、完成版とはまるで異なるストーリーを計画していた。当時の脚本は「ヴァネッサの物語の秘密を明かす」物語で、コミックと同じく、ヴァネッサが変身能力を持つミュータントのコピーキャットに変貌するほか、ウェイド・ウィルソン/デッドプールとの恋愛を掘り下げる内容が予定されていたそう。ミラー監督は降板直前までヴァネッサの物語を重要視し、20世紀フォックスの幹部にも直談判していたというが、監督の交代後、この部分は大幅に変更されている。
ただし『デッドプール』シリーズの脚本家であるレット・リース&ポール・ワーニックは、将来的にヴァネッサがコピーキャットになる可能性を否定していない。いずれ、ミラー監督の構想が実を結ぶ可能性もゼロではなさそうだ。
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Source: The Playlist