Menu
(0)

Search

『ドクター・ストレンジ/MoM』VFX担当者、あのキャラの悲惨な映像の舞台裏を解説

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス
© 2022 MARVEL

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(2022)には様々なサプライズが仕掛けられていた。中でもギョッとさせられた、あのキャラクターが迎えた凄惨なシーンの舞台裏について、VFX担当者が興味深く解説している。

この記事には、『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(2022)のネタバレが含まれています。

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス
© 2022 MARVEL

グチャっ!ブラックボルト爆発シーンの作り方

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』では、ドクター・ストレンジがアメリカ・チャベスというマルチバースを行き来できる特殊能力を持つ少女とともに、あまたの世界を経て“アース-838”へと辿り着く。この世界で危険人物とされているストレンジは、ソーサラー・スプリームのモルドに連れられ、イルミナティという秘密結社と面会することになる。そこに姿を現したのは、モルドをはじめ、プロフェッサーX、キャプテン・カーター、ブラックボルト、マリア・ランボー/キャプテン・マーベル、ミスター・ファンタスティックだった。

彼らは瞬く間にスカーレット・ウィッチ/ワンダ・マキシモフの強大なパワーによって殺められる展開に。その惨劇が起こる前は、囁くだけで都市を破壊できるほどの衝撃波を放出できるブラックボルトが口を開けば決着がつくと見られていたが、ワンダの魔術で口を封じられ、ブラックボルトは頭の中で声が暴発して即死した。

そんな惨いシーンのVFXを手がけたジュリアン・フォディがBefore & Aftersの取材に応じ、制作過程を解説している。

「ブラックボルトの場合、ワンダが彼の口を塞ぐというか、彼の口を全て“取り除く”ところから始まります。これは、俳優のテクスチャ・フォトグラフィーを使って作成したCGパッチです。それから彼の頭に跳ね返って来る音波の爆風を作って、それが効果的に脳をメチャメチャにするんです。チームは彼の後頭部が吹き飛ばされる前に、ほぼ本番さながらに行なうようにアプローチしました。」

そう説明したフォディは、そのシーンを創り上げるためにスローモーションで物が破壊される動画を数えきれないほど見たと明かし、解説を続けている。

「チームは風洞に入った人間の顔や、風が頬に与える波紋の量も調べました。その結果、1秒間24フレームでリアルな結果を得ることは不可能だと分かったんです。そこでFXチームはHoudini(3DCGソフトウェア)でタイムラインを引き伸ばし、1秒間120フレームぐらいのスピードで作業を行ないました。」

またフォディは、ブラックボルトの頭部が爆発するシーンの音響を手がけた、Skywalker Soundの担当者を称賛。「(このシーンを)映画館で観るまで、誰も耳にしたことがないようなグシャっと潰れるサウンドを追加してくれたSkywalker Soundに脱帽です。まさに相乗効果で、“おお”と思わせてくれる要素でした」と語っている。

『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』はディズニープラス(Disney+)で配信中。

Source:Before & Afters

Writer

アバター画像
Hollywood

ロサンゼルスに11年在住していた海外エンタメ翻訳家/ライター。海外ドラマと洋画が大好き。趣味は海外旅行に料理と、読書とキャンプ。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly