誰もがメディアに取り込まれる!鮮烈な映像と音楽、スペイン発SFファンタジー『ネクソス』が衝撃的すぎる

もし自分の生活が、マスメディアによって全て操作されているとしたら……。考えてみると恐ろしい話だが、他人事だと笑いとばせるようなことではないのかもしれない。今回ご紹介したいのは現在デジタルスクリーンで公開中、スペイン発のSFファンタジー『ネクソス』だ。
映画『ネクソス』あらすじ
ある不気味な部屋に集まっている、真っ白な服に身を包んだ謎の人々。彼らはスクリーンを眺め、どうやら人間を選別しているようだ。
そして所変わって、ごく普通のスペインの街並み。女子大生の主人公はある日、見ていたテレビの映像が自分を映していることに気づき、うろたえる。そして徐々に彼女の身の回りに奇妙な出来事が連発し始め、事態は思わぬ方向に……。これは何者かに自分たちの様子を監視され、テレビとマスメディアによって生活を操作されるようになった世界を描いた物語だ。
しかし『トゥルーマン・ショー』が自分の本当の人生を探すトゥルーマンの姿をコミカルに描いているのに対して、『ネクソス』は全く異なった雰囲気である。派手派手しさはなく、冷たくひんやりとした雰囲気が漂う、まるでホラー映画のような世界観の作品だ。
鮮烈なヴィジュアル、テクノ・ミュージック
『ネクソス』の本編が始まった瞬間から、あなたはきっと「スタイリッシュな作品に出会った」と感じるはずだ。ダーレン・アロノフスキー監督による映画『π パイ』を思い出させるような、脳内に響き渡るテクノ・ミュージック。そしてチカチカとフラッシュするモノクロの映像、浮かび上がる『NEXUS』というタイトルロゴ。
オープニングが終わったかと思えば、場面は研究施設のような場所に切り替わる。まるで宇宙船の中のような真っ白な部屋に、同じく真っ白な衣装に身をつけた仮面をつけた人物たち。彼らは何やら会議をはじめ、画面に浮かび上がる女性たちを選別していく。
「いつの間にか、メディアの中に取り込まれている」
タイトルでもある“NEXUS”とは、英語で「結び、連結」という意味である。
誰もが知っている通り、今の社会にマスメディアは必要不可欠な存在である。誰もが携帯電話を持ち、家にテレビがあり、いつでもどこでも情報を手にすることができる。若い世代にとってはSNSも欠かせない! ネットワークの中には本当の自分とはちょっぴり違う自分が存在しており、小さなスマートフォンの中ではもう1つの社会が完成されていると言ってもいいだろう。
もしかしたらSNSでの世界の方が、自分の本当の生活よりも華々しい……という人もいるかもしれない。TwitterやInstagram、そこで飛び交うたくさんの情報に誰もが操られているのかもしれない。無意識のうちに誰もが、マスメディアによって扇動されているのかもしれない。
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