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『ドクター・ストレンジ/MoM』と「ロキ」の物語、どう繋がっていた? 脚本家が解説

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス
©Marvel Studios 2022

マーベル・シネマティック・ユニバース最新作ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネスは、タイトルの通り、MCUのマルチバース(多元宇宙)を本格的に探求する一作となった。脚本を執筆したのは、同じくマルチバースが物語の鍵となったロキ(2021-)のマイケル・ウォルドロン。いまやマルチバースの仕掛け人となったマイケルは、ふたつの物語をどう繋げたのか?

この記事には、「ロキ」第6話『とわに時を いつでも』のネタバレが含まれています。

ロキ
(C)2021 Marvel

“マッドネス”の発端はどこに?

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』で新たに登場したアメリカ・チャベス(ソーチー・ゴメス)は、マルチバースを渡り歩くことができるという能力を持つ。ストレンジはチャベスの能力に乗っかって、“もうひとりの自分たち”が生きるマルチバースを移動するのだ。かたや『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)や「ロキ」が描いたのは、“時間”が分岐することで多元宇宙が発生するという発想。これらの作品は、それぞれ異なる切り口から多元宇宙に迫っている。

それでは、『マルチバース・オブ・マッドネス』と「ロキ」のマルチバースはどこで、どのように繋がっているのか? ストレンジがマルチバースに接したのは『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021、日2022)の影響が大きかったようにも思われるが、脚本家のウォルドロンは、むしろ「ロキ」に原因があると米The Hollywood Reporterにて指摘する。「あの結末がすべてを可能にしたのだと思う」と。

ロキ
(C)2021 Marvel

「ロキ」の最終話『とわに時を いつでも』では、神聖時間軸を管理するTVAの創設者であった“在り続ける者(He Who Remains)”が登場した。彼によると、31世紀に“在り続ける者”の変異体がマルチバースを発見した後、多元宇宙同士の侵略戦争が発生。彼はこれを終結させ、神聖時間軸を独立させるとTVAを創設してタイムラインを守ってきたと言う。“在り続ける者”は、ロキとシルヴィに対して「自分を殺してマルチバースを解放し、凶暴な変異体を出現させるか、それとも自分の代わりにTVAを統括するか」の二択を突きつけた。

ロキは“在り続ける者”の代わりに神聖時間軸を守ろうとするが、シルヴィはこれを受け入れず、ロキを退けて“在り続ける者”を殺害。シーズン1のラストでは、シルヴィによって解放されたマルチバースにロキがさっそく放り込まれたことが示唆されている。ウォルドロンは、この結末が『マルチバース・オブ・マッドネス』ひいては『ノー・ウェイ・ホーム』の物語を呼び出したのだと語った。

「私たちの知るMCU、アース616は多元宇宙のあれこれから切り離されていました。あるいは『ロキ』のラストまでマルチバースは存在しなかったのかもしれません。しかし、『ロキ』の最終話を経て(アース616を)守るものはなくなりました。いまやマルチバースは存在し、MCUで描かれてきたユニバースもその一部にすぎません。だから『スパイダーマン』の他の映画からヴィランやキャラクターを登場させられるようになった。だから『マルチバース・オブ・マッドネス』では登場人物が別の宇宙を旅することができるのです。」

すなわちウォルドロンの見立てに従うのなら、マルチバースを解放したのは『ノー・ウェイ・ホーム』のピーター・パーカーでも、あるいは『マルチバース・オブ・マッドネス』のストレンジやチャベスでもなく「ロキ」のシルヴィだったという言い方もできよう。「ロキ」でマルチバースが解放された後の物語は、同作のシーズン2のほか、“在り続ける者”を演じたジョナサン・メジャースがヴィランの侵略者カーンとして登場する『アントマン&ワスプ:クアントゥマニア(原題)』で描かれるとみられる。

しかし逆に言えば、『マルチバース・オブ・マッドネス』を踏まえ、マルチバースをめぐる物語が「ロキ」シーズン2などに反映される可能性もあるということでもある。ともすれば、本当の“マルチバース・オブ・マッドネス”はここから始まるのかもしれない…?

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Source: The Hollywood Reporter

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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