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『ドクター・ストレンジ/MoM』を観る前に「ロキ」の予習は必要? “マルチバースの仕掛け人”両作の脚本家が回答

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス
©Marvel Studios 2022

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の“マルチバース”には、ひとりのキーパーソンがいる。ドラマシリーズ「ロキ」(2021-)と映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』の両方を執筆した脚本家、マイケル・ウォルドロンだ。米The Playlistは、マイケルを“マルチバース・マエストロ”と称している。

ドラマシリーズの始動により、MCUは2021年以降、膨大な作品数・エピソード数を誇るシリーズとなっている。全作を追いきれないファンが気になるのは『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』を観るためにどれだけの予習が必要なのかということだろう。“マルチバース”というキーワードでいえば、まさしく「ロキ」はその先駆けとなる作品だった。

結局のところ、「ロキ」と『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』は繋がっているのか、いないのか? この率直な問いかけに、ウォルドロンは「頭が痛かったのはそこのところ」と作り手の葛藤を明かしている。

「私が思うに、すべてが繋がっているし、すべてが独立しているのです。偉大なコミック・ユニバースと同じで、ある作品が別の作品に情報を与えることは確か。これまでの作品を観ていれば、MCUの物語の次章をさらに楽しめることでしょう。けれども同時に、過去の作品を何ひとつ観ていなくとも楽しめることを願っています。単独でも十分に成立しているべきですから。」

すなわち質問の答えとしては、“観ていなくとも楽しめるはずだし、観ていればさらに楽しめる”ということになろう。たとえば『ドクター・ストレンジ』続編には「ワンダヴィジョン」(2021)のキャラクターも登場するようだが、少なくとも劇中で必要なぶんの説明はなされるのだろうし、あとはイースターエッグやリンクを一度目の鑑賞でどこまで堪能したいかがポイントとなる。予告されている“大量のサプライズ”をどこまで理解できるかという問題もあるが、本質的に映画としての面白さとサプライズの内容は直接関係するものではないはずだ(どうしても気になったら後から遡ればよい)。

マーベル ドラマ「ロキ」
「ロキ」(C)2021 Marvel

物語の繋げ方に関する発想は、「ロキ」と『ドクター・ストレンジ』だけでなく、「ロキ」シーズン1とシーズン2の関係性にも当てはまるようだ。もともと1シーズンかぎりの想定で「ロキ」のストーリーを組み上げたというウォルドロンは、「もしシーズン2があると知っていてもそうしたと思います。各シーズンがきちんと独立しているのが重要だから」と回答。もっともシーズン1の全6話を作る中で「まだ描けることはたくさんある」と感じ、あえて内容を調整したところもあったという。

ちなみにウォルドロンは、『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』の出来映えには「もちろん満足しているし、とても光栄に思っています」とコメント。「ロキ」シーズン2では脚本をエリック・マーティンに託し、自身は製作総指揮としての関与となる(撮影は2022年夏より実施予定)。

おそらく、今後もMCUのマルチバースはしばらくのあいだ続くことだろう。もし過去作を追いきれていないとしても、ここで思い切って“マルチバース・オブ・マッドネス”に飛び込んでみることが、長い目で見れば一番の近道になるかもしれない。

『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』は2022年5月4日(水・祝)に映画館で公開。「ロキ」シーズン1はディズニープラスにて独占配信中。

Source: The Playlist

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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