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『アベンジャーズ』『デューン』同日公開、吉と出るか凶と出るか ─ 「どちらかが動くべき」「最高のシナリオ」と業界まっぷたつ

『デューン 砂の惑星PART3』(C)2026 Warner Bros. Entertainment Inc. and Legendary. All rights reserved. 『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』(C)2026 MARVEL.

“デューンズデイ”がやってくる。2026年12月18日、『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』と『デューン 砂の惑星PART3』がともに日米同時公開されるのだ。いずれもハリウッドを代表する豪華キャストが結集したファンタジー・アクション超大作であり、大ヒット間違いなしの2本である。

このまま『アベンジャーズ』と『デューン』は真っ向から激突するのか、それとも公開日の変更はありうるのか。米VarietyThe Hollywood Reporterは、ともに「どちらかが移動するのではないか、いや、すべきだ」という声を紹介している。

新型コロナウイルス禍以来、映画館業界は一本でも多くのヒット作を求め、少しでも多くの観客に足を運んでもらいたいと考えている。そんななか、2本のヒット作が同日に公開されることは、果たして相乗効果を生むことになるか、それともお互いを文字通り“喰い合う”ことになるか──。

思い出されるのは、2023年7月に『バービー』と『オッペンハイマー』が激突した“バーベンハイマー現象”だ。しかし、この2本がまったく異なるジャンルとターゲットの作品だったのに対し、『アベンジャーズ』と『デューン』はどちらも人気フランチャイズの最新作で、ジャンルも、男性中心の観客層もぴったりと重なっている。どちらも長尺の作品になる可能性が高いことも懸念材料のひとつだ。

そもそも「2026年12月18日」の公開日を最初に押さえていたのは『デューン』だった。さまざまな事情により製作が遅延していた『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』──以前のタイトルは『アベンジャーズ/カーン・ダイナスティ』だった──が、ここに後から飛び込んだのだ。

ワーナー・ブラザースが『デューン』のIMAX独占上映権を3週間にわたり獲得していたことから、『アベンジャーズ』は公開直後のIMAX上映が叶わない。それでもディズニー&マーベル・スタジオは公開日を動かさず、通常スクリーンとIMAX以外のプレミアム・ラージ・フォーマット上映で勝負に出る意向だ。

現在の興行収入予測では、“デューンズデイ”の対決は『アベンジャーズ』が有利とされており、2026年最高の興行収入を叩き出すとみられている。『バービー』の興行収入が、IMAXスクリーンを押さえていた『オッペンハイマー』を超えたように、IMAX上映がなくとも勝てる可能性は大きいのだ。マーベルファンの観客は、ネタバレを避けるため公開直後に足を運ぶ傾向にあり、その意味でもIMAXの有無はさして大きな問題ではない。

また『デューン』の独占期間が終わったあと、改めて『ドゥームズデイ』がIMAXに上陸することも考えられる。続編『アベンジャーズ/シークレット・ウォーズ』の撮影は2026年夏に始まっているため、公開後に未公開映像を追加する戦略もありうるだろう(『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』で、『ドゥームズデイ』のティザー映像4種類が週がわりに上映されていたことを思い出してもよい)。

「どちらかが移動すべきだ」とする意見は、こうした不確定要素の多いなかで同時公開を敢行することへの不安が噴き出したものだと言える。しかし、映画館業界からは「自分たちにとってはWin-Win」「長らく求めていた状況が現実になる。最高のシナリオだ」という喜びの声も聞こえているのが実情だ。

もとよりホリデーシーズンは映画館の集客力が上がる時期で、映画館業界は『アベンジャーズ』と『デューン』が共存し、ともに長い期間をかけて劇場を盛り上げる可能性に期待している。その意味では、前週の12月11日に米国公開される、ソニー・ピクチャーズ『ジュマンジ3(仮題)』のほうがより大きなリスクを背負っている──ほぼ確実に、公開翌週にはすべての話題をさらわれてしまうことになるからだ。

洋画興行の不入りが近年危惧される日本でも、『アベンジャーズ』と『デューン』の同日公開が実現する。ディズニー&マーベルが日米同時公開に踏み切ることは想定内だったが、東宝&東和ピクチャーズが『デューン』の公開時期をずらさないと決断したのはサプライズだ(本国の意向があったのかもしれない)。邦画の話題作も同時期に予想されるなか、貴重な洋画超大作がそろって最高の結果をあげられることを祈りたい。

映画『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』『デューン 砂の惑星PART3』は、ともに2026年12月18日(金)日米同時公開。あえて繰り返すことにしよう。“デューンズデイ”がやってくる。

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Source: Variety, The Hollywood Reporter

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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