マーベル、新ドラマ「エコー」で新機軸 ─ 激しい暴力描写、路上の殺しも描く

超テクノロジーの武器、魔術の戦い、宇宙からの侵略者、並行世界のヒーロー……これまで大スケールで描かれたマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)が、ここに来てストリートの戦いにナローダウンする。新ドラマ「エコー」は、マーベル・スタジオ作品としては前代未聞の過激な暴力描写をウリにするシリーズだ。
このドラマの主人公は、アベンジャーズのメンバーを描く「ホークアイ」単独ドラマに登場した若きヴィランのエコーことマヤ・ロペス。エコーは、マーベル・テレビジョン制作のNetflixドラマ「デアデビル」の残虐な犯罪王キングピンの養女という設定。キングピンやデアデビルはマーベル・スタジオのMCU作品にもすでに姿を見せているが、Netflixドラマにあったハードな暴力描写は鳴りをひそめていた。そして「エコー」をもって、元の持ち味だったバイオレンスをMCUで解禁するというわけだ。

すでに公開されている米予告編映像でも「マーベル史上最も過激なシリーズ」と紹介され、流血や死体処理シーンも登場する攻めっぷり。シリーズを監督するシドニー・フリーランドは英Entertainment Weeklyにて、「我々が扱っているストーリーはもっとストリート・レベルの話なので、より地に足ついた、より生々しいものになります。TV-MA(=米テレビ番組におけるR指定表記)の側面に傾倒しています」と紹介している。
ディズニーの作品だからといって、ナメてかかってはいけないようだ。ハードな描写については、マーベル・スタジオもノリノリだったという。フリーランドが、ヴィランとしてのエコーを掘り下げたいとスタジオに打診したところ、「そこに傾倒しよう」と快諾が得られたそうだ。さらに製作を進めるうち、フリーランドはスタジオとこんなやり取りも行った。
「“この人物がテーブルに頭を打ちつけられた時に、歯が2本くらい折れるようにしたらどうだろう?このキャラクターってそういうことだし、この世界観ってそういうこと。彼女は犯罪者なんだし、ヴィランだし、人殺しをやってるんだから。”私がそう言うと、彼らの返答は“いいね!やりましょう!”というものでした。」
子どもには見せられないマーベルドラマということで、ユニバースの中でも異色の立ち位置になりそう。さらに本作は、他作品との繋がりを意識しなくても良いという「Marvel Spotlight」ブランドの一作。MCUに興味がない視聴者でも楽しめる内容になりそうだ。
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Source:Entertainment Weekly