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【ネタバレ】『アベンジャーズ/エンドゲーム』ソーの変化、クリス・ヘムズワースのこだわりだった ─ 今後の再演にも強い熱意示す

アベンジャーズ/エンドゲーム
©Walt Disney Studios / Supplied by LMK / 写真:ゼータ イメージ

ソーの激太り、ヘムズワース自身のこだわりだった

『アベンジャーズ/エンドゲーム』冒頭で、『インフィニティ・ウォー』の“指パッチン”を生き残ったヒーローはサノスに復讐する。インフィニティ・ストーンを手に入れ、塵と消えた生命を取り戻そうとするのだ。しかしサノスの農場を訪れたところ、すでにストーンは破壊されていた。もはや、サノスと同じ方法を取ることはできない。失意のソーは、怒りにまかせてサノスの首を斬り落とした。

5年後、ソーは残された仲間とアスガルドを地球に再建するも、その姿は変わり果てている。ビールを飲んではコーグ&ミークとゲームに明け暮れ、ストームブレイカーも瓶のオープナー代わり。顔をぐるりと髭が覆い、鍛え上げられていた腹はでっぷりと突き出ているのだ。アベンジャーズ本部に戻ったあと、ソーはトニー・スターク/アイアンマンから「リボウスキ」と呼ばれる。コーエン兄弟監督作品『ビッグ・リボウスキ』(1998)で、ジェフ・ブリッジスが演じたキャラクターの名前を引用した小ネタである。

ヘムズワース自身、『エンドゲーム』の撮影現場では自分のことを「リボウスキ・ソー」と呼んでいたらしい。

「僕は“なんでもあり”が好きなんです。予想や期待に囚われないのがいい。このバージョンのソーは楽しかったですね。今まで演じてきたソーとはまったく違って、だけど一つの形になったと思います。」

実は『エンドゲーム』には、物語の中盤でソーが元の姿に戻るというアイデアもあったそう。しかし、「リボウスキ・ソー」で最後まで走り切ることにこだわったのはヘムズワース自身だった。『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)の製作と並行しながら、ヘムズワースは『エンドゲーム』の話し合いに早くから加わっていたという。脚本家や監督たちは、ヘムズワースのこだわりを踏まえ、ソーの物語を膨らませ、人物の解釈を深めていったのだろう。

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かつて、ヘムズワースは『アベンジャーズ』(2012)『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2013)を撮り終えた時点で、ソーの“堅苦しさ”に限界を感じていたという。「同じような役目ばかり与えられているように感じていました。クリエイターがキャラクターの方向性に行き詰まっているんじゃないかと。だけど僕は、やれることはもっとたくさんあると思っていたんです」

マイティ・ソー/ダーク・ワールド
『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』© 2013 MARVEL

『エンドゲーム』リボウスキ・ソーの舞台裏

リボウスキ・ソーを演じるにあたって、ヘムズワースは毎回3時間のメイクを必要としたという。シャツを脱いでいる状態のシーンでは、90ポンド(約40キロ)ものシリコン製スーツを着用。腕や脚の動かし方を変えるため、手と足首に重りも装着した。ヘムズワースは「すごく疲れました」と語るが、共演者たちは撮影の合間に巨大化したヘムズワースで遊んでいたそうだ。

「僕のところにやってきて、デカいクマみたいに抱きしめられたり、妊娠してるみたいにお腹をなでられたり、サンタクロースみたいに、膝の上に座ろうとされるんですよ。おじいちゃんが子どもに囲まれてるような感じ。だけど、いきなり腹をつかまれるのはイヤなものですね。“そんな風に掴むな!”って。妻がどんな気分だったのか分かりましたよ。」

オリジナルのアベンジャーズを演じた6人の俳優陣は、『エンドゲーム』で久々の本格再共演となった。ヘムズワースは「ロバート・ダウニー・Jr.のことは師匠のように思いますし、スカーレット・ヨハンソンやジェレミー・レナー、マーク・ラファロは本物の親友です」とそれぞれの関係性を語っている。

またヘムズワースにとって、キャプテン・アメリカ役のクリス・エヴァンスは「本当の兄弟みたい」だとか。「プロモーションでペアを組ませてもらえないのは、僕らがくだらないことばっかりして、ちゃんと話さないまま時間が過ぎていくと思われているからでしょうね」。エヴァンスも「一緒にはしゃぎ過ぎちゃうんです」と認めた。ちなみにエヴァンスは、ヘムズワースと一緒に「80年代風のバディコメディ映画を作りたい、僕らのイメージをはぎ取れるような作品を」とも語っている。これはぜひ実現してほしい…!

ところで『エンドゲーム』を経て、ヘムズワース演じるソーはどこへ向かっていくのか。ソーはベネター号に乗って地球を離れたが、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3(邦題未定、原題:Guardians of the Galaxy Vol.3)』に登場するのか、それとも……。

現在、ヘムズワースは「正直に言って、もっと(ソーを)演じたい」と語っている。「どんな計画があるのかは知りませんが、僕たちはキャラクターの新しい部分を切り開いてきたと思いますし、今後の可能性を考えるとやる気が出ます」。ただし、彼は冷静な一面を垣間見せてもいる。「まあ、もし今回で終わりなら、別の作品やキャラクターでそういうことをやりますけど」。

映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』は2019年4月26日(金)より全国公開中

『アベンジャーズ/エンドゲーム』公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-endgame.html

Source: Variety

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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