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【ネタバレ】『アベンジャーズ/エンドゲーム』すべては◯◯◯から始まった ─ 1400万通りの未来にあった◯◯◯の奇跡

アベンジャーズ/エンドゲーム
©Walt Disney Studios / Supplied by LMK / 写真:ゼータ イメージ

きっかけはアントマン、そのきっかけは?

『アベンジャーズ/エンドゲーム』逆転の肝はタイムトラベルだ。インフィニティ・ストーンが失われてしまった今、世界に与えられた唯一の道は「前に進む」ことだけ。スティーブはグループセラピーにも参加しながら励ましのメッセージを発信し、トニーは家族を持って穏やかな隠遁生活を送っていた。

そこに救いの糸口が現れる。『アントマン&ワスプ』(2018)で量子世界に閉じ込められていたアントマン/スコット・ラングが戻ったのだ。現実世界では5年の月日が経過していたが、スコットの体感時間では5時間ほどしか経っていないという。量子世界では時間のルールがまるで違う、これをヒントにアベンジャーズは決死の「タイム泥棒」作戦を発案。過去の各時代からインフィニティ・ストーンを回収し、失われた人々を取り戻すと、消えていたヒーローたちも集結してサノス軍との壮絶な戦いに勝利する…。

すべてはネズミから始まった

つまり『エンドゲーム』で描かれる逆襲の物語の大きな起点は、かつてアイスクリーム屋のアルバイトをクビにもなった冴えない泥棒のスコット・ラング…であることは間違いないのだが、そのスコットを量子世界から解放してくれる全ての起点が、「茶色の醜いバン」で装置のスイッチを偶然押した一匹のネズミであることを忘れてはならない。

中国の贵圈でもジョー・ルッソ監督は、「ネズミが全ユニバースを救ったわけですよ」と認めている。「ドクター・ストレンジは14万通りの可能性を見ていますが、他の何万もの可能性ではネズミがスイッチを押さず、その後の出来事も起こらなかったのです。無数にある未来の中で、ネズミがスイッチを押して世界が救われる未来がひとつだけあったんです。

ドクター・ストレンジは1400万605通りの未来の中にあるたったひとつの勝利の可能性が、一匹のネズミの偶然から始まることも予見していたということだ。また、皮肉な捉え方をすれば「サノスは一匹のネズミをきっかけに破れた」と言うこともできる。

思えばアベンジャーズの物語は、いつも小さなきっかけから大きな勝利を得ていた。『アベンジャーズ』(2012)ではロキに「蟻とブーツ」に例えられた彼らの”アベンジ(復讐)”は、『エンドゲーム』ではまさに蟻、すなわちアントマンから始まる。そのすべてのきっかけは、たった一匹のネズミの偶然だった。どんな小さな糸口でも、それが思わぬ突破口となりうる希望を教えてくれているようでもある。

映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』は公開中。

『アベンジャーズ/エンドゲーム』公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-endgame.html

Source:贵圈

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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