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【ネタバレ】なぜ『アベンジャーズ/エンドゲーム』はサノス◯◯◯で◯◯◯◯◯ ─ きっかけはある一言、脚本家が語る

マーベル『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』サノス

なぜサノスを冒頭で殺したのか

『アベンジャーズ/エンドゲーム』では、サノスへのリベンジに挑んだキャプテン・アメリカ、ソー、ナターシャ、ウォーマシン、ブルース・バナー、ロケット、ネビュラ、そして新たに加わったキャプテン・マーベルが隠遁の帝王を早々に追い詰める。既にインフィニティ・ストーンが破壊されてしまっていたことを知ると、ソーは怒りと悔しさと虚しさのあまり、一思いにサノスの首をはねてしまう。冒頭から繰り広げれる劇的な展開に、思わず息を呑んだことだろう。

結果としてサノスは過去の時空から再び現れ、アベンジャーズと死闘を繰り広げることにはなる。しかし、前作『インフィニティ・ウォー』であれほど圧倒的な戦力を見せたタイタンの恐るべき帝王が、あっさりと倒されてしまうというアイデアは一体どうやって生まれたのだろうか。

The New York Timesで脚本家のクリストファー・マルクスとステファン・マクフィーリーが語ったところによれば、インフィニティ・ストーンを全て揃えたサノスという「究極兵器を手にした男」のその後の対処には製作陣も数週間にわたって相当頭を悩ませたという。

ある時、エグゼクティブ・プロデューサーのトリン・トランが「もういっそ殺しちゃえば?」と発案。これを契機に、「殺しちゃったらどうなるか?なぜ殺すのか?なぜ彼は殺されるのか?」との検討が始まった。

いささか大胆な手法ではあったが、脚本家らはそれほどリスキーだとは捉えていなかったという。その裏には『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』で得られた反応があった。「この映画とはもう何年も向き合っている」と語るマルクスにとって、観客の反応は物語を導く重要な指針となる。前作の劇場で観客が涙している光景を見て、「これを尊重しなければ、と。さもないと、ただ彼らを驚愕させるだけになってしまう。」

殺しちゃったらどうなるか?インフィニティ・ストーンとサノスを早々に(一旦)退場させると、物語は「5年後」の世界に飛ぶようになっている。「たいていのスーパーヒーロー映画の第2部には、きっと敗北の時間が5分くらいはある。今回は5年ですからね」というマクフィーリーによれば、まったく希望がなくなったじゃないかと、テスト試写では多くの参加者が「不快感を覚えていた」。もちろん、それが狙いでもあるだろう。

なぜ殺すのか?なぜ彼は殺されるのか?実際のところ、冒頭のサノス殺害は妙案だった。インフィニティ・ストーンを破壊し、ソーに衝動的にサノスを殺めさせることによって、「本当にヒーローたちが消えてしまった/死んでしまった」という『インフィニティ・ウォー』の絶望を、「本当に取り返しのつかないことだった」ものとしてより深めているからだ。前作のために観客が流した涙も嘘でなくなる。マルクスは語る。

「これでサノスの計略がより強まるんですよ。彼はもう終わったんです。キリスト然として描くのでなく、”死ななければならないなら、ここで死のう”みたいな。」

映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』は2019年4月26日(金)より全国公開中

『アベンジャーズ/エンドゲーム』公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-endgame.html

Source:NYT

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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