【ネタバレ】「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」第1話ラストの男、「MCUに大きな影響与える」 ─ 新人物ジョン・ウォーカーとサム・ウィルソンの関係性

この記事には、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」第1話『新たなる世界秩序』のネタバレが含まれています。

政府認定の後継者、ジョン・ウォーカー
『アベンジャーズ/エンドゲーム』でアイアンマンを失い、国家の象徴たるキャプテン・アメリカを失った世界は混迷を極めていた。5年前に消滅した人口の半分が戻ってきたことも、結果的には大きな混乱をもたらしたのだ。世界には陰謀論も渦巻き、人々が消えていた頃のほうが良かったと考える人もいる……。そんな中、サムはスティーブから託された盾を継承せず、博物館に盾を納めることを決めていた。
厳しい世界情勢下において、アメリカ政府は「新たなるヒーローが必要」との結論に至る。そこで、サムに代わって“新たなキャプテン・アメリカ”に指名された男がいた。すなわち政府認定の後継者、ジョン・ウォーカー(ワイアット・ラッセル)である。コミックではU.S.エージェントとして登場するウォーカーが、本作では“2代目キャップ”の座に就任するのだ。サムはテレビのモニター越しに、その様子を目撃する。
スペルマンによれば、この出来事こそ、「サムがもともとアメリカという国に抱いていた疑念」に直結するものだという。米TV Lineでは、「サムは一人の黒人として、自分が星条旗を継承することをどう見られるか、そこにどんな影響が生じるかを理解していた」と語られているのだ。アベンジャーズの一員としてサムは活躍してきたが、実家を立て直すための資金調達さえうまくいかない。そこには黒人一家というバックボーンもある。そこに2代目キャプテン・アメリカとして政府の指名を受けて現れたのが、白人であるジョン・ウォーカーだったのだ。
「黒人男性が自分の国に裏切られる、そのことはサムにとっても、また視聴者にとっても驚きではないでしょう。けれども、それがサムの抱く疑念の核心を突くことで大きな力を持つ。その疑念に彼自身がどう向き合うかということが、MCUにおける彼の今後を決定づけるのです。」
したがって、その相手方として現れるジョン・ウォーカーの役割もまた重大だ。スペルマンいわく、ジョンは「MCUに大きな影響を与える」存在。米Entertainment Tonightでは、キャプテン・アメリカの盾を継ぐにふさわしい人物として描くため、コミックの設定に大きな変更が加えられていることが明かされている。どうやら、ドラマでは「よりヒロイックで、より正義感にあふれた」人物となっているようだ。

米Entertainment Weeklyにて、スペルマンはジョンを「やるべきことをすべてやった」「国からの要求をすべてやり遂げた」兵士として紹介している。ところが情勢は変化し、いまや「国家と自分の人生が試練に立たされ、彼らの特権も揺るぎつつある」のだ。「人生はアンフェアなもので、ベストを尽くし、正しいことをすれば自分の人生が安定するというわけではありません。一人の人間として、ジョン・ウォーカーは危うい時期にあります」。
もはやアメリカという国は、そして星条旗が象徴するものは一枚岩ではない。キャプテン・アメリカの盾、あるいは後継者の立ち位置をめぐってサムとジョンが対立するにせよ、“相棒”となるウィンター・ソルジャー/バッキー・バーンズとジョンには共通項がある。スペルマンいわく「バッキーは喪失の悲しみに向き合っている。それはジョン・ウォーカーも同じです」。バッキー役のセバスチャン・スタンは、「多くの兵士が最前線に身と心を置いてくる。手足を失ったり、PTSDを患ったりして帰ってくるのです。それがバッキーの物語であり、またジョン・ウォーカーの物語です」と語った。
ジョン・ウォーカー役を演じるのは、『オーヴァーロード』(2018)のワイアット・ラッセル。ジョンという役柄については、「とても複雑なキャラクターであるところに惹かれた」と言う。
「(バッキー、サム、ジョンの)3人が、自分のアイデンティティをめぐってどのように関わり合うかという点がおもしろい。このシリーズはアイデンティティについての物語。それぞれにとってのアイデンティティの意味を描いているんです。」
監督のカリ・スコグランドは、「キャプテン・アメリカの盾について、誰もが異なる意見を持っている」と述べる。それはすなわち、キャプテン・アメリカという存在についても人それぞれ考え方が異なるということだ。「あの象徴的なシンボルが意味することは、誰にとっても個人的なもの。それはバッキー・バーンズにとっても同じことでしょう」。
ディズニープラス オリジナルドラマシリーズ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』 は配信中。
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Sources: TV Line, Entertainment Tonight, Entertainment Weekly(1, 2), USA Today