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「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」ヘルムート・ジモ、『シビル・ウォー』からの変化とは ─ 「ジモの考えには時代を反映」

ダニエル・ブリュール
Photo by Elena Ringo https://commons.wikimedia.org/wiki/File:7_Days_in_Entebbe_-_Daniel_Br%C3%BChl,_Rosamund_Pike,_Omar_Berdouni_-_Press_Conference.jpg Remixed by THE RIVER

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のドラマシリーズ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」は、映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)に基づいて構想された物語だ。ファルコン/サム・ウィルソン&ウィンター・ソルジャー/バッキー・バーンズだけでなく、本作で久々の登場となるシャロン・カーターとヘルムート・ジモも、『シビル・ウォー』のキーパーソンだった。

『シビル・ウォー』ではヴィランとして暗躍し、アベンジャーズを分裂に導こうとしたジモは、その後どうしていたのか。演じるダニエル・ブリュールと製作陣が、ジモの内面で起きている変化を示唆した。

この記事には、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』と「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」第2話『星条旗を背負う者』のネタバレが含まれています。

ファルコン&ウィンター・ソルジャー
© 2021 Marvel

獄中のヘルムート・ジモ

ソコヴィア出身で特殊部隊のリーダーを務めていたヘルムート・ジモは、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)のソコヴィア戦で愛する父親と妻子を失う。アベンジャーズへの復讐を決意したジモは、ソコヴィア協定に揺れるヒーローたちの“弱点”を突き、チームの分裂を画策。ジモの狙い通りにアベンジャーズは分裂し、自らは家族の後を追おうとしたが、ブラックパンサー/ティ・チャラによって逮捕されていた。

「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」の予告編で、ジモはコミックで知られる紫のマスクをかぶって登場。「スーパーヒーローは存在してはならない」というセリフは、脚本・製作総指揮のマルコム・スペルマンいわく「一時の言葉ではない」という。「ジモが経験したこと、彼の動機を考えてみてください。祖国と家族を失った人間が、どんなことを感じてきたのか」。同じく米Entertainment Weeklyにて、ジモ役のダニエルも同調する。

「かつてのジモはスーパーソルジャーに激しく抵抗したし、それは今でも同じかもしれません。彼はその危険性を知っていたからだし、ソコヴィアの戦いで家族を失ったから。そのことがジモを苦しめ、あらゆることを考えさせてきたんです。獄中の彼には、いろいろなものを読み、考える時間がたくさんあった。良からぬことを考えていることは確かでしょうね。」

紫のマスクは、『シビル・ウォー』以降のジモに起こった変化を象徴するものかもしれない。ダニエルはコミックに忠実な装いでジモを演じられることを喜びつつも、英Empireでは「ただのマスクではなくコスチューム。彼という人間に何らかの変化を起こすもので、もはや彼は別人です」と語っているのだ。

以前「ジモは自分こそがヒーローだと信じている」と語っていたスペルマンは、今回、本作のヴィランたちが“人間として正当な動機”に基づいて行動していることを認めている。監督のカリ・スコグランドも、「悪人が必ずしも悪人らしいわけではないし、ぶっ飛ばされるまで自分が悪人だと思っていないこともある」と言っているのだ。スペルマンいわく「ジモの考えは時代を反映したもの。現実世界との間に繋がりを生むことになるでしょう」

ちなみにジモ役のダニエルは、アンソニー・マッキー&セバスチャン・スタンとの再共演について「すごく楽しかった。特別なトライアングルになったと思います」とコメント。もはやこの言葉さえ不穏に聞こえてくるわけだが、今度のジモは何をたくらんでいるのか。

ディズニープラス オリジナルドラマシリーズ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」は配信中。

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Sources: Entertainment Weekly, Empire

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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