マーベル、『キャプテン・マーベル』皮切りに女性ヒーロー映画を続々企画中 ― 「珍しいものではなくなることを切望」

2018年で10周年を迎えたマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)は、これまで20作もの映画を制作し、興行と批評の両方で大成功を収めてきた。しかし、そんなMCUの長年の課題となってきたのが主役ヒーローの“多様性”の乏しさだ。

『ブラック・パンサー』(2018)で黒人主人公が誕生し、『アントマン&ワスプ』(2018)ではエヴァンジェリン・リリー演じるワスプがアントマンと共に主役を担当したものの、20作品中18作品は白人男性が主人公を務めてきた。特に女性ヒーローの単独主役映画は2019年公開予定の『キャプテン・マーベル』が初めてとなり、ジェンダー平等を達成するにはまだまだ長い道のりがある。


だがこの問題に対し、マーベル・スタジオは大きく動き出している。マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は米Entertainment Weeklyによるインタビューで、今後女性ヒーローの映画をどんどん制作していくことを明かし、これまで女性ヒーロー映画が制作されなかった理由や今後の展望について語った。

Kevin Feige / ケヴィン・ファイギ

ケヴィン・ファイギ Photo by Gage Skidmore https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Kevin_Feige_(28556369381).jpg

女性ヒーロー映画が「当たり前」の時代へ

女性ヒーロー映画の制作にMCU誕生から10年もかかった最大の理由について、ファイギ社長は“偏見との闘い”を挙げる。「15年前に多くの女性主人公の映画が失敗したことから、観客は女性が主役を務める映画を観たくないのだという間違った考えが生まれていたんです。それを乗り越えなければいけなかったんですよ」。

一方、ファイギ社長は「私の考えではこれらの映画が失敗したのは女性が主人公だったからではありません。単に良い映画ではなかったからです」と述べて、女性主役映画の制作に意欲を持ち続けたことを明かした。そして、女性ヒーローを巡る今後の展望について以下のように語っている。

「『アントマン&ワスプ』、『キャプテン・マーベル』と続いて、そして近い未来に発表されるたくさんの映画を通して、女性ヒーローが主人公の映画が珍しいものでなく、当たり前となる日が来るのを切望しています。“え、女性ヒーロー?”というリアクションではなく、“どんな内容なんだろう?キャラクターは?”といった反応が見られるようになるのが楽しみです。」

2018年9月現在、2019年5月の米国公開予定である『アベンジャーズ』第4作(正式タイトル不明)以降のMCU作品ラインナップは謎に包まれており、「近い未来に発表されるたくさんの映画」が何を指しているかは定かではない。ただしその内の一つには、スカーレット・ヨハンソン演じるブラック・ウィドウの単独映画企画が報じられている。ファイギ社長は以前行われたインタビューでも「マーベルのヒーローは半分以上が女性になりますよ」述べていたとあって、今後さらなる女性ヒーローが登場してくることは間違いなさそうだ。

 

ちなみに女性ヒーロー映画で成功した作品として、真っ先に思い浮かぶのは2017年にガル・ガドット主演で公開され、大成功を収めた『ワンダーウーマン』(2017)であろう。こちらはMCUの“ライバル”ともいえるワーナー・ブラザース製作のDCコミックス映画化作品であるが、ファイギ社長は同作の成功を非常に好意的に捉えている。

「どこのスタジオがどの映画を作っていて、どのコミック会社からどんなキャラクターが生まれているかなんて、みなさんが知っているわけではないですから。だから、このジャンルの映画なら――ヒーロー映画だけじゃなく、アクションでもSFでもなんでも――成功はすごく嬉しいものですよ
『ワンダーウーマン』の成功はとても嬉しかったですね。以前にもお話ししましたが、“数年前に公開された女性ヒーロー映画の成功についてどう思いますか?”という質問の方が、これまで聞かれていた“女性ヒーローを観客が観たくないんじゃないかと怖がっていますか?”という質問よりも良いですから。」

『ワンダーウーマン』が“女性ヒーロー映画は売れない”という固定観念を打破したように、是非とも『キャプテン・マーベル』も成功を収め、女性ヒーローのさらなる活躍のために一役買ってくれることを願いたい。

映画『キャプテン・マーベル(邦題未定、原題:Captain Marvel)』は2019年3月8日に米国公開予定

Sources: Entertainment Weekly
Eyecatch Image: Photo by Gage Skidmore

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THE RIVER編集部。アメリカのあちこちに住んでいました。

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