『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』監督、『スパイダーバース』に嫉妬していた ─ 「僕もマイルスやりたかったのに」

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の『スパイダーマン』映画最新作、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』が日本で大ヒットスタートを切った。マルチバースやミステリオなど、ファン待望の新設定やキャラクターが登場する『ファー・フロム・ホーム』は、スパイダーマンやMCUの新たなポテンシャルを存分に感じさせられる意欲作だ。
ファンが待望するものは他にもまだまだある。マイルス・モラレスの登場はその筆頭だ。史上初の黒人スパイダーマンとしてコミックなどで親しまれるマイルスは、映画作品としては『スパイダーマン:スパイダーバース』(2019)に主人公として登場。この作品がアカデミー長編アニメーション部門に輝くなど大きな成功を収めたことで、「今度はMCUでマイルス実写化を」との声も更に高まっている。
米ソニー・ピクチャーズ製作のこの作品による影響が、MCU『スパイダーマン』シリーズにどのような影響を与えたかは分からないが、少なくとも『ファー・フロム・ホーム』ジョン・ワッツ監督の心情は揺さぶられたようだ。「マイルズの物語は傑作のひとつ」と語る監督は、『スパイダーバース』についてこんな思いを吐露している。
「ジェラシーでした。僕もマイルスの話やりたかったのに。」
監督がつい嫉妬してしまうのも頷ける。前作『ホームカミング』では、マイルスの叔父であるアーロン・デイヴィスを登場させ、さらに「甥っ子がいる」と発言させるとの伏線まで張っていたのだ。ジョン・ワッツ監督の頭には、「いつか自分がマイルスを映像化させる」という夢があったに違いない。
ただし監督は「『スパイダーバース』があまりにも美しく描いてくれたから、苛立ちなんてありませんよ。ただ観客として楽しませて頂きました」と、『スパイダーバース』を大いに讃えている。また、今後の実写版マイルス登場の可能性に対してもも「あると思います」と前向きだ。実現の暁には、自分で監督を手がけることになるかと問われると、「映画は一度に一本ずつ」と笑ったという。
『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』公式サイト:http://www.spiderman-movie.jp/