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【ネタバレ考察】『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』次回作のヴィランは誰か ─ グリーンゴブリン/ノーマン・オズボーン登場の可能性を考える

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム
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この記事には、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』のネタバレが含まれています。

これまでのヴィランをおさらい

まずはマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)より、『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)と『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019)に姿を表したヴィランをおさらいしておこう。

スパイダーマン:ホームカミング
©Marvel Studios 2017. ©2017 CTMG. All Rights Reserved.

『ホームカミング』では、メインのヴィランとしてバルチャーが登場。(ちなみに日本語表記は”ヴァルチャー”が伝統的だが、実写映画版では”バルチャー”と記すようだ。)また、”ショッカー・ガントレット”を扱うショッカーや、ティンカラー、原作では”スコーピオン“として知られるマック・ガーガンが登場した。ほか、ドナルド・グローヴァーが演じたアーロン・デイヴィスも他作品では”プロウラー“と呼ばれるヴィラン。『ホームカミング』の時点で、今後の物語を膨らますための伏線を用意していたことが分かる。

『ファー・フロム・ホーム』では、事前プロモーションで「新たなヒーロー」と伝えられていたミステリオが従来の設定通りヴィランであることが明らかに。また、ミステリオがでっち上げていた架空のクリーチャー”エレメンタルズ”として、ハイドロマンモルテンマンの名を使用している。

ちなみに、冒頭のメキシコに登場した土のクリーチャーはひとまずサンドマンと見ておこう。ジョン・ワッツ監督は米CinemaBlend「あれはサンドマンということで良いでしょう」と認めている。

また、ニック・フューリーが用意したバスの運転手で、いかにも悪そうな出で立ちだった男の役名はドミトリ。どんな人物にも化けることが出来るヴィラン、”カメレオン“ことドミトリ・スメルダコフと名が一致していることからファンの注意を集めていた。

ここまで踏まえた上で、『ファー・フロム・ホーム』に続く『スパイダーマン』映画次回作に登場しそうなヴィランを検討してみよう。まずは過去2作に登場したヴィランが再登場する線を当たってみる。

過去のヴィラン再登場の可能性

『ホームカミング』ショッカー(2代目)は、ネッドにも助けられたスパイダーマンに退治された。存命ではあるが、やや小物か。ティンカラーも同じく。プロウラーことアーロン・デイヴィスは、他作品にヴィランとして大々的に登場したため可能性は薄そうだ。

刑務所に入ったバルチャーとスコーピオン再来の可能性は考えられるだろう。この2人は、『ファー・フロム・ホーム』への再登場も噂されていたほどだ。ジョン・ワッツ監督は「(再登場に)ふさわしい場面がまったく見つからなかった」ため見送ったと解説しているが、裏を返せばふさわしい場面さえあれば再登場は十分有り得るということ。今後、スコーピオンがスパイダーマンに恨みを持ったまま出所したら?サノスの「指パッチン」によって世間では5年が経過しているから、スコーピオンが消えていなければ”お務め”の年月を終える可能性もある。その時、バルチャーことエイドリアン・トゥームスはどう動くか?

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム

次に『ファー・フロム・ホーム』のヴィランを考えてみよう。ミステリオの死は決定的に描かれているので、そのまま再登場することはありえないだろう。ただしミステリオは死後にもうひとつ、スパイダーマンの正体を全世界にバラすという攻撃を仕掛けているから、もしかしたら生前に残していた”仕掛け”が今後新たに発動することも考えられなくはない。『ファー・フロム・ホーム』では、「死んでも私はヒーローだ(Even Dead, I’m The Hero)」の頭文字を取った名の人工知能イーディスが登場、トニー・スタークの余韻残る物語となった。ミステリオも同様に、次回作に嫌な影響を残していたら?ジェイク・ギレンホールほどの役者を起用したのだから、何らかの形で再登場してもおかしくないだろう。

“カメレオン”と予想されるドミトリは、結局『ファー・フロム・ホーム』劇中ではそれらしい素振りすら見せなかった。ただしジョン・ワッツ監督曰くニック・フューリーの元で働く連中の中には、謎めいた過去を持つ者もいる」とのこと。今後、どう”化ける”か分からない。引き続き注視した方が良さそうだ。

実写初登場ヴィランの可能性

次に、実写初登場のヴィランについて考えてみよう。ただし、無数のキャラクターが存在するマーベル・ユニバースの中からひとつひとつ検討するのでは際限がないし、そもそもマーベル・スタジオとはあくまで別会社であるソニー・ピクチャーズがどのキャラクターの映像化権利を有しているのかは不明。そこで、バルチャー、ミステリオと続いたことをヒントに「シニスター・シックス」のヴィランに絞って予想するとしよう。

シニスター・シックスとは、スパイダーマンに恨みを持つヴィランたちが結成したヴィラン・チーム。そのメンバーは代々入れ替わっているが、バルチャーやミステリオは代表的なメンバーだ。

他の主要メンバーを考えてみると、あらかた過去の『スパイダーマン』実写作品に登場済みであることに気づく。ドクター・オクトパスは『スパイダーマン2』(2004)に、エレクトロは『アメイジング・スパイダーマン2』でスパイダーマンと戦っている。グリーンゴブリンホブゴブリンは、前2シリーズに共通して登場しているから、3度目の起用は少し考えにくいだろうか。

でも、過去の実写映画に登場したからといって、再登場の可能性を打ち消すのは早計では?そこで参考になるのが、ジョン・ワッツ監督による以下の発言だ。これを踏まえると、やはり実写未登場のヴィランに絞って考えたくもなる。

「まず始めに試みるのは、まだ誰も見たことのないものをお見せする、ということです。既に見たことのあるキャラクターの再登場は、よほどの理由がないとやりません。

前2シリーズで登場したヴィランは他に、サンドマンリザードライノもいる。まだ本格的に登場していないヴィランに絞ってみると、自然と有力に見えてくるのがスコーピオンだ。

スコーピオンの可能性

Marvel's Spider-Man(スパイダーマン)PS4ゲーム
ゲーム「Marvel’s Spider-Man」より。 © 2018 MARVEL ©Sony Interactive Entertainment LLC. Developed by Insomniac Games, Inc.

原作コミックにおけるスコーピオンはデイリー・ビューグルのJ・ジョナ・ジェイムソンの策によって生み出された強化人間であり、後に関係が悪化してジェイムソンへの復讐に駆られる人物。満を持してジェイムソンが登場した今、スコーピオン誕生が描かれる下地は整っているのだ。

一方で、次回作のメインヴィランとして相応しいかという疑問は残る。『ホームカミング』に登場した際はマイケル・マンドが演じたが、お世辞にも知名度のある俳優というわけではない。スパイダーマンの悪役にはマイケル・キートン、そしてジェイク・ギレンホールと大物が続いたのだから、次回作も誰もが知る有名俳優/女優が起用されるはずだ。

スパイダーマンが複数のヴィランと戦う可能性もあるだろう。『スパイダーマン3』にはサンドマンとヴェノム、『アメイジング・スパイダーマン2』ではライノやエレクトロにグリーンゴブリンが登場していたように、次回作ではスコーピオンともう一体別のヴィランが登場するという説だ。そちらに有名どころをキャスティングするというわけである。他に可能性がありそうな候補も考えてみたい。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。