DC単独映画『ザ・フラッシュ』新監督に『IT/イット』アンディ・ムスキエティが交渉中 ─ エズラ・ミラー主演続投、『スパイダーマン』脚本家は離脱

DCコミックス原作、“地上最速の男”フラッシュの単独映画『ザ・フラッシュ(原題:The Flash)』の新監督として、『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(2017)を手がけたアンディ・ムスキエティがワーナー・ブラザースとの交渉に入っているという。
米The Hollywood Reporterによれば、アンディ監督は具体的な契約交渉には入っていないものの、近く正式なオファーがなされる見込み。アンディ監督の就任が決定した場合、姉でプロデューサーのバーバラ・ムスキエティも参加。また米Varietyには、アンディ自身も製作を兼任すると記されている。本企画には、『ランペイジ:巨獣大乱闘』(2018)のマイケル・ディスコもプロデューサーとして携わるとのことだ。
これまで『ザ・フラッシュ』にはセス・グレアム=スミスとリック・ファミュイワが監督として起用されるも、両者は相次いで離脱。2018年3月には『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)脚本家のジョン・フランシス・デイリー&ジョナサン・ゴールドスタインが脚本・監督に就任していたが、二人もすでに企画を離れているという。
ジョン&ジョナサンは2018年1月から『ザ・フラッシュ』の脚本作業に入っており、2019年内の撮影開始を目指していたが、時間を経るごとに創造面の相違(creative difference)が深まり、ついには「自発的な形で」離脱が決断されたとのこと。ジョン&ジョナサンはコメディタッチを志向していたが、『ジャスティス・リーグ』(2017)などでフラッシュを演じたエズラ・ミラーはダークな作風を求めており、2019年3月にはコミック界の人気ライターであるグラント・モリソンと独自に脚本を執筆する事態となっていた。
ただしワーナーは、すでにエズラ&グラントによる脚本も却下しており、新たな脚本家として、『バンブルビー』(2018)やハーレイ・クインのスピンオフ映画『バーズ・オブ・プレイ(邦題未定、原題:Birds of Prey (And The Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn)』を執筆したクリスティーナ・ホドソンを起用する意向。エズラ・ミラーは主演俳優として企画に残留している。
なおアンディ監督が『ザ・フラッシュ』を手がける場合、『ソウ』『死霊館』シリーズのジェームズ・ワン監督が『アクアマン』(2018)を、『ライト/オフ』(2017)『アナベル 死霊人形の誕生』(2017)デビッド・サンドバーグ監督が『シャザム!』(2019)を生み、『エスター』(2009)のジャウム・コレット=セラ監督が『ブラックアダム(原題:Black Adam)』の交渉に入っているという、ホラー畑のクリエイターを相次いで起用するDCの戦略がさらに推し進められることになる。
『IT/イット』の完結編『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』(2019年11月1日公開)を控えているアンディ監督は、Netflixドラマ「ロック&キー」でエグゼクティブ・プロデューサーを担当しているほか、大人気コミック『進撃の巨人』のハリウッド実写版でも監督を務める。『ザ・フラッシュ』は2020年1月までに撮影準備に入る目標とされているため、アンディ監督が就任する場合、『進撃の巨人』よりも『ザ・フラッシュ』が先の登場となりそうだ。