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『マッドマックス』新作映画、『怒りのデス・ロード』撮影監督が続投しなかった理由 ─ 撮影より優先した大切なものとは?

マッドマックス 怒りのデス・ロード
© Warner Bros. Feature Productions Pty Limited, Village Roadshow Films North America Inc., and Ratpac-Dune Entertainment LLC

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)の前日譚映画『フュリオサ(原題)』には、ジョージ・ミラー監督をはじめ前作から数多くの製作陣が勢揃いしている。ところが撮影監督を務めたジョン・シールは、『フュリオサ』には復帰していない。その理由は何だったのだろうか?

80歳を目前にしたジョン・シールといえば、『ヒッチャー』(1985)をはじめ、『レインマン 』(1988)、『ロレンツォのオイル/命の詩』(1992)、『ハリー・ポッターと賢者の石』(2001)、『ツーリスト』(2010)など数々の話題作で撮影監督を務めてきた。『イングリッシュ・ペイシェント』(1996)では、アカデミー撮影賞に輝いたことでも知られる巨匠だ。

10年程前から引退を考えていたというシールは、ミラー監督に説得されて、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』に撮影監督として参加することになった。米Varietyのインタビューでシールは、長いあいだ意図的に仕事から離れていたにもかかわらず、参加を決意した理由について、「『ロレンツォのオイル』でタッグを組んだことがあって。彼が作り出す視覚効果や、彼自身のことが好きだったので、引き受けるのにさほど時間はかかりませんでした」と説明している。

これにつづいてオーストラリア出身のふたりは、ティルダ・スウィントン&イドリス・エルバ主演、2022年8月26日より米国公開中の映画『Three Thousand Years of Longing(原題)』でも仕事を共にすることになった。さらなるコラボレーションが期待されていたが、『フュリオサ』へのミラー監督からの参加依頼は断ったそうだ。シールにとって、『フュリオサ』の撮影より優先した大切なものとは何だったのだろうか?

ジョージ(・ミラー)は本当に素敵な方でしたが、今回は断らせてもらいました。私には可愛い孫たちがいるんです。彼らと一緒に時間を過ごしたくて。私はいつも海外にいたので、子どもたちと一緒に過ごした時間もあまりありませんでした。これはある意味、私が後悔していることですね。」

家族との大切な時間を過ごしたいというシールは、「私はもうすぐ80歳になります!そろそろ退いて、若い人たちを迎え入れるときではないでしょうか。ビールでも呑んで、彼らに映画を作りに行ってもらいたいです」と、今こそ若い世代へと仕事を引き継いでいくべきとも考えているようだ。こうして、『Three Thousand Years of Longing』が引退作となったのである。

なおフュリオサの若き日の姿を描く前日譚映画で、撮影監督を代わりに担当することになったのは、『華麗なるギャツビー』(2013)『ハクソー・リッジ』(2016)などのサイモン・ダガン。現在撮影中の本作は、2024年5月24日に米国公開予定だ。

Source: Variety

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Minami

THE RIVER編集部。「思わず誰かに話して足を運びたくなるような」「映像を見ているかのように読者が想像できるような」を基準に記事を執筆しています。映画のことばかり考えている“映画人間”です。どうぞ、宜しくお願い致します。

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