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代表作がリバイバル!初心者のためのジャン=リュック・ゴダール映画入門ガイド

ヌーヴェルヴァーグの巨匠、ジャン=リュック・ゴダールの代表作『勝手にしやがれ』(’60)と『気狂いピエロ』(’62)の2本が全国で順次リバイバル上映されていく。

映画『気狂いピエロ』公式サイト

ここでは、ゴダールの名前を知っていても、「難解」というイメージから手が出なかった人のために、ゴダール映画とのつきあい始めガイドを紹介する。一番はとにかくこの機会に観てみることをおすすめしたい! 

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ゴダールの映画が難解に見えるのは、その情報量の多さゆえ。例えば、最新作『さらば、愛の言葉よ』では、3Dメガネの左右で違う映像を見せるという実験を行なっている。一度に複数の文脈、引用が押し寄せてくるゴダールの映画を理解するためには、批評や本人のインタビューを読んでみるのが近道だろう。

 

劇場で観る

ただし、ストーリーを理解するだけが映画の見方ではない。ゴダールの映画は色彩感覚や音響の遊び、編集の斬新さなど、優れた「映像作品」でもあるのだ。そして、そんなゴダール作品の魅力を堪能するには、ソフトより断然、劇場のスクリーンをおすすめしたい。

ゴダールが影響を受けた過去作品を観る

ゴダールが影響を受けたのは、ハリウッド黄金時代に作られたB級映画やフィルムノワールの数々だ。ちなみに、「B級」という言葉は今でこそ「バカ映画」を意味する言葉になっているが、本来は二本立てを前提とした低予算映画のこと。初期ゴダールはB級映画の経済感覚と、フィルムノワールが持つダークさに影響を受けて映画を制作し始めた。

 

『拳銃魔』(’50/ジョゼフ・H・ルイス監督)

 

『夜の人々』(’48/ニコラス・レイ監督)

 

『キッスで殺せ!』(’55/ロバート・アルドリッチ監督)

 

ゴダールと同世代の作品群を観る

ゴダールがデビューした1960年に前後して、才能あるフランスの映画作家が次々とデビューした(ちなみにゴダールはスイス人)。その波はヌーヴェルバーグと呼ばれ、世界中に広がっていき、新しい映画の概念を打ち立てていったのだ。そんなゴダールと同時代の空気を味わおう。

 

『大人は判ってくれない』(’59/フランソワ・トリュフォー監督)

 

『いとこ同志』(’59/クロード・シャブロル監督)

 

『アデュー・フィリピーヌ』(’62/ジャク・ロジエ監督)

 

ゴダールに影響を受けた作品群を観る

ゴダールの影響を公言する映画作家の作品から、ゴダール的な演出や編集を学んでみよう。

 

『汚れた血』(’86/レオス・カラックス監督)

 

『パルプ・フィクション』(’94クエンティン・タランティーノ監督)

 

『カリスマ』(‘99・黒沢清監督)

 

最後に、ゴダールを観たことのない人でも比較的、観やすいゴダール映画を挙げておこう。

 

『勝手にしやがれ』(’60)

『女は女である』(’61)

『女と男のいる舗道』(’62)

『気狂いピエロ』(’65)

『中国女』(’67)

『ウイークエンド』(’67)

『カルメンという名の女』(’83)

『ゴダールのマリア』(’85)

『アワーミュージック』(’04)

『さらば、愛の言葉よ 3D』(’14)

 

 

 

 

 

 

Writer

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石塚 就一就一 石塚

京都在住、農業兼映画ライター。他、映画芸術誌、SPOTTED701誌などで執筆経験アリ。京都で映画のイベントに関わりつつ、執筆業と京野菜作りに勤しんでいます。

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