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『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』ポストクレジット・シーン全解説!削除された幻のシーンとは

④思春期のグルート

ポストクレジット・シーン、4つ目にしてようやく純粋にコミカルなシーンの登場だ。ベビー・グルートは『リミックス』でとにかく超かわいい姿を見せつけまくり、そのくせ強いところもきちんとアピールするなど物語の美味しいところをきちんと持っていった印象だが、この場面では早くも思春期に成長し、ピーターとの親子関係(あるいは兄弟関係だろうか)の変化を予感させる。

こうして細部にわたって“家族劇”としての構造を徹底したガン監督は、本作を愛するファンが数多いことについて、自らこう分析している。

「多くの人がこの映画を大好きになってくれるどころか、何回も観てキャラクターに共感してくれるのは、彼らが“のけ者”で、変人で、奇妙だからだよね」

スタン・リーはウォッチャー

最後のポストクレジット・シーンは、劇中にもわずかに登場しているスタン・リーのカメオ出演シーンだ。一部のコミック・ファンの間では噂されてきたことだが、なんとスタンは世界のすべてを監視するウォッチャーの一員だったのである……。これまでMCUの全作品に登場してきた、その理由がついに明かされたというわけだ。

ガン監督によると、スタンはウォッチャーを演じることを「大喜びしていた」という。

「1960年代にスタンがウォッチャーを初めて登場させた時、他のライターは彼をからかったし、バカげたアイデアだと思ってたんだ。でも彼は“僕は好きなんだよ”って思って登場させていた。だから、スタンは名誉を挽回する気持ちだったんだよ」

ちなみにウォッチャーについてはまた別の話題があるのだが……長くなるので、そちらは稿を改めることにしたい。

幻の「6つ目」ポストクレジット・シーンとは

劇場で観ることができるポストクレジット・シーンは以上の5つだが、実は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』には本来6つのポストクレジット・シーンが想定されていたという。カットされてしまった6つ目のシーンは、ガモーラゾーイ・サルダナ)とマンティス(ポム・クレメンティーフ)が話していたところ、いきなり絶叫する声が聞こえてくるという場面だったようだ。絶叫の主はラヴェジャーズの一員だったジェフ(スティーブ・アジー)。テイザーフェイス(クリス・サリヴァン)の側近で、劇中では酒を飲もうとしていたところをヨンドゥの矢に貫かれて倒れたのだが……実はまだ生きていたというのだ。

ガン監督は、このシーンをカットした理由を以下のように語っている。

「致命傷を負ったジェフがずっと船にいたことがわかる場面だよ。ちょっと(観客を)混乱させるなと思ったんだ」

ちなみにマーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長によると、本作に含まれるポストクレジット・シーンはいずれも脚本にきちんと書かれていたものだという。決して、ガン監督がその場の“ノリ”で撮ったようなものではないのである。確かに、それぞれのシーンを紐解いてみると、そこには『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズやMCUの未来に繋がる要素が織り込まれているだけでなく、マーベル・コミックへの敬意が丁寧に払われていることがよくわかる。

シリーズ第3作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3(仮題)』は、おそらく2020年頃の公開ではないかと予想されている。今回仕掛けられた伏線がどんな形で回収されるのか、今からすでにとても楽しみだ。

映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』は現在公開中

Source: https://www.usatoday.com/story/life/entertainthis/2017/05/05/guardians-of-the-galaxy-vol-2-end-credits-scenes-spoilers-james-gunn/101254944/
http://www.slashfilm.com/guardians-of-the-galaxy-2-kevin-feige-interview/2/

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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