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『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』ポストクレジット・シーン全解説!削除された幻のシーンとは

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品の最新作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』の劇場公開から数日が経過した今日この頃、すでに読者の皆さんは本編をご覧になっただろうか。筆者もようやく映画館に足を運び、その見どころの多さ、圧倒的な情報量にノックアウトされたところである……。

ところでMCU作品の“お約束”といえば、本編終了後のポストクレジット・シーンだ。2008年『アイアンマン』に始まり、今やファンのお楽しみとなっているものだが、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』はとりわけ充実した内容がポイントだった。しかし本作には、なんと本編で使われなかった幻のポストクレジット・シーンが存在したという。

【注意】

この記事には、映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』の重大なネタバレが含まれています。

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ポストクレジット・シーン全解説

ともすればベタになりかねない超ストレートな家族劇、いたるところに散りばめられたユーモア、映像的な快感。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』の魅力は、その過剰なまでのサービス精神にある。その精神は本編終了後にもあふれており、ただでさえ賑やかなエンド・クレジットには、合計5回のポストクレジット・シーンが時折挿入されるのだ。もはやクレジットが終わっていないうちから始まるので、“ポスト”クレジットですらない……。

本作の脚本・監督を手がけたジェームズ・ガンらは、USA Todayの取材で5つのポストクレジット・シーンについて語っている。

①クラグリンと口笛

本作のラスト、ピーター・クイル(スター・ロード)を救うために自らを犠牲にしたヨンドゥ(マイケル・ルーカー)が遺したものは、彼が口笛によって操っていた矢だった。ロケットによって修理された矢は、ピーターを通じて、ヨンドゥの右腕だったクラグリン(ショーン・ガン)の手に渡ることとなる。1つ目のポストクレジット・シーンは、クラグリンが一生懸命に口笛で矢を操ろうとする場面だ。すでに製作が決定している第3作目では、ヨンドゥと同じくらい上手に扱えているといいのだが……。

クラグリン役のほか、ロケットのモーション・キャプチャーも担当しているショーン・ガンはジェームズ・ガン監督の弟である。ショーンは本作のクラグリンを「まさしく“生き残り”だよ」と話している。

「(ガン監督は)この映画では僕に親切だったね。今まではだいたい親切じゃなかったのさ、多くの作品で殺されたしね。僕(クラグリン)のストーリーが未来に繋がっていると分かった時には、この作品に本当に感謝したよ」

②シルベスター・スタローン率いる新チーム

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』の序盤とラストには、シルベスター・スタローン扮するスタカー・オゴルド(スターホーク)が登場。ラストにはコミック・ファンへのサプライズとして、マルティネックス(マイケル・ローゼンバウム)、チャーリー27(ヴィング・レイムス)、アレタ・オゴルド(ミシェール・ヨー)、メインフレーム(声:マイリー・サイラス)、そしてクルーガーといった面々が登場していた。2つ目のポストクレジット・シーンは、彼らの“再結成”を思わせる場面だ。スタカー・オゴルド、その周辺の人物については以下の記事に詳しいので、そちらをご参照いただきたい。

こうしたメンバーを登場させただけあって、ガン監督には今後こうしたメンバーをさらに活躍させる構想があるらしい。

「どこで登場させるか、どうやって登場させるかはまだ検討中だけど、将来的に活躍させたいと思ってるんだ」

③アダム・ウォーロックという秘策

本編中でたびたびガーディアンズ・オブ・ギャラクシーに攻撃を仕掛け、毎度撃退されてしまったアイーシャ(エリザベス・デビッキ)は、3つ目のポストクレジット・シーンで非常におかんむりの模様。彼女が次なる秘策として用意した“アダム”という出産ポッドは、マーベル最重要ヒーロー、アダム・ウォーロックの登場を示唆するものだ。

すでにジェームズ・ガン監督は、ウォーロックを『リミックス』に登場させる予定だったことを明かしている。結果として今回は登場を見送られてしまったが、監督お気に入りのキャラクターとあって、きっと次回作ではとんでもない活躍を見せてくれることだろう。気になるのは、どうやらヴィランとして登場しそうなことだが……。

④思春期のグルート

ポストクレジット・シーン、4つ目にしてようやく純粋にコミカルなシーンの登場だ。ベビー・グルートは『リミックス』でとにかく超かわいい姿を見せつけまくり、そのくせ強いところもきちんとアピールするなど物語の美味しいところをきちんと持っていった印象だが、この場面では早くも思春期に成長し、ピーターとの親子関係(あるいは兄弟関係だろうか)の変化を予感させる。

こうして細部にわたって“家族劇”としての構造を徹底したガン監督は、本作を愛するファンが数多いことについて、自らこう分析している。

「多くの人がこの映画を大好きになってくれるどころか、何回も観てキャラクターに共感してくれるのは、彼らが“のけ者”で、変人で、奇妙だからだよね」

⑤スタン・リーはウォッチャー

最後のポストクレジット・シーンは、劇中にもわずかに登場しているスタン・リーのカメオ出演シーンだ。一部のコミック・ファンの間では噂されてきたことだが、なんとスタンは世界のすべてを監視するウォッチャーの一員だったのである……。これまでMCUの全作品に登場してきた、その理由がついに明かされたというわけだ。

ガン監督によると、スタンはウォッチャーを演じることを「大喜びしていた」という。

「1960年代にスタンがウォッチャーを初めて登場させた時、他のライターは彼をからかったし、バカげたアイデアだと思ってたんだ。でも彼は“僕は好きなんだよ”って思って登場させていた。だから、スタンは名誉を挽回する気持ちだったんだよ」

ちなみにウォッチャーについてはまた別の話題があるのだが……長くなるので、そちらは稿を改めることにしたい。

幻の「6つ目」ポストクレジット・シーンとは

劇場で観ることができるポストクレジット・シーンは以上の5つだが、実は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』には本来6つのポストクレジット・シーンが想定されていたという。カットされてしまった6つ目のシーンは、ガモーラ(ゾーイ・サルダナ)とマンティス(ポム・クレメンティーフ)が話していたところ、いきなり絶叫する声が聞こえてくるという場面だったようだ。絶叫の主はラヴェジャーズの一員だったジェフ(スティーブ・アジー)。テイザーフェイス(クリス・サリヴァン)の側近で、劇中では酒を飲もうとしていたところをヨンドゥの矢に貫かれて倒れたのだが……実はまだ生きていたというのだ。

ガン監督は、このシーンをカットした理由を以下のように語っている。

「致命傷を負ったジェフがずっと船にいたことがわかる場面だよ。ちょっと(観客を)混乱させるなと思ったんだ」

ちなみにマーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長によると、本作に含まれるポストクレジット・シーンはいずれも脚本にきちんと書かれていたものだという。決して、ガン監督がその場の“ノリ”で撮ったようなものではないのである。確かに、それぞれのシーンを紐解いてみると、そこには『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズやMCUの未来に繋がる要素が織り込まれているだけでなく、マーベル・コミックへの敬意が丁寧に払われていることがよくわかる。

シリーズ第3作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3(仮題)』は、おそらく2020年頃の公開ではないかと予想されている。今回仕掛けられた伏線がどんな形で回収されるのか、今からすでにとても楽しみだ。

映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』は現在公開中

Source: https://www.usatoday.com/story/life/entertainthis/2017/05/05/guardians-of-the-galaxy-vol-2-end-credits-scenes-spoilers-james-gunn/101254944/
http://www.slashfilm.com/guardians-of-the-galaxy-2-kevin-feige-interview/2/

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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