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「グリーン・ランタン」ドラマ版、ワーナー新体制で企画再考へ ─ 脚本家・プロデューサー・俳優が離脱

グリーン・ランタン
※画像はイメージです Photo by JD Hancock https://www.flickr.com/photos/jdhancock/7921179232/ Remixed by THE RIVER

ワーナー・ブラザース/DCコミックス肝いりの企画、テレビドラマ「グリーン・ランタン(原題:Green Lantern)」が全面的に見直されることになった。番組のコンセプトが全面的に刷新されることになり、これまで携わっていた脚本家とプロデューサー、出演者もそろって離脱している。米The Hollywood Reporterが報じた。

ドラマ版「グリーン・ランタン」は2019年10月に企画の第一報が報じられたもので、米HBO Maxでの配信を見据え、プロデューサーには映画版『グリーン・ランタン』や、「ARROW/アロー」(2012-)などのアローバース作品を手がけてきたグレッグ・バーランティが就任。その後、脚本・製作総指揮に『レゴバットマン ザ・ムービー』(2017)のセス・グレアム=スミス、プロデューサーに同じくアローバース作品のマーク・グッゲンハイムが起用されていた。

コミック「グリーン・ランタン」は、装着者の意志を増強する魔法の指輪・パワーリングの力を得た主人公が、犯罪者との戦いや宇宙の存亡を賭けた激闘に身を投じる物語。当初、ドラマ版は初代グリーン・ランタンのアラン・スコット、4代目のガイ・ガードナーを中心に、大勢のグリーン・ランタンが登場する作品として構想されており、すでにグレアム=スミスは全8話におよぶシーズン1の脚本を書き終えていたという。

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事態が大きく動いたのは、新会社ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの発足がきっかけだった。新CEOのデヴィッド・ザスラフらがHBO Maxの戦略変更を決定したことからグレアム=スミスが降板を決意し、のちにグッゲンハイムも企画を離脱。さらにDCフィルムズの社長だったウォルター・ハマダが退職したことで、企画の全面的な見直しが決まったという。

現在、ドラマ版「グリーン・ランタン」はDC史上初の黒人スーパーヒーローのひとり、ジョン・スチュワートに焦点を当てる作品として再考が進められている。アラン・スコット役にキャスティングされていたジェレミー・アーヴァイン、同じくガイ・ガードナー役のフィン・ウィットロックもすでに契約が切れており、現時点で企画に残留しているのはバーランティと、自身の製作会社バーランティ・プロダクションズのみとなった。ただしバーランティは、企画が再びまとまり次第、俳優2名を再起用することにも積極的だという。

今回の企画見直しの背景には、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの厳しい財政難がある。新経営陣は約30億ドルを節約するため、映画『バットガール(原題)』をお蔵入りにするなどの対策を講じてきたが、ドラマ版「グリーン・ランタン」もその対象となった側面があるのだ。もともと本作はバーランティ史上もっとも高予算のシリーズになる予定だったため、企画を軽やかにすることで製作費を抑える狙いがあるとみられる。

なおワーナー/DCは、ウォルター・ハマダ率いるDCフィルムズに代わって「DCスタジオ」の設立を決定したばかり。映画監督のジェームズ・ガン、プロデューサーのピーター・サフランを共同会長兼CEOに迎え、両者が今後の映画・ドラマ・アニメ作品を統括する予定だ。ただし、「グリーン・ランタン」の企画見直しに両者は関与していない。ガン&サフランは2022年11月1日以降に職務を開始するため、刷新後の企画には何らかの形で携わることになりそうだ。

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Source: The Hollywood Reporter

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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