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『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』解雇のジェームズ・ガン監督に救いの手? 大手スタジオ幹部から熱い視線 ― 米報道

ジェームズ・ガン
Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/28557194032/

映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3(邦題未定、原題:Guardians of the Galaxy Vol.3)』を解雇されたジェームズ・ガン監督に、ハリウッドの大手スタジオから熱い視線が注がれているという。米The Hollywood Reporterが取材の結果を報告している。

2018年7月20日(米国時間)、ガン監督は過去に投稿した小児性愛や強姦などに関する“不適切なジョーク”が問題視され、ディズニーからの解雇を受けた。監督本人が十分に反省していること、政治的な背景を有する問題だったことなどから、直後から再雇用を求める署名活動が行われているほか、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の出演者9名が合同で公開状を発表するなど、業界関係者からの支援の声も大きい。

ジェームズ・ガン
Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/28557194032/

そんな中、今回の報道によると、すでにハリウッドの大手スタジオはガン監督とのプロジェクトに強い興味を示しているようだ。The Hollywood Reporterがスタジオ幹部や映画プロデューサーに12人以上取材したところ、ある幹部は「すぐに彼(ガン監督)と仕事をしたい」と述べたという。マーベル・シネマティック・ユニバースの“ライバル”的存在である、DC映画を製作するワーナー・ブラザースをはじめとした複数のスタジオが監督の今後に注目しているそうだ。

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しかしながら、ガン監督はディズニー/マーベル・スタジオとの話し合いを続けているため、他のスタジオが動ける状況ではないという。ディズニーとの問題がすべて解決するまで、他のスタジオが監督に提案を出すことは難しいようだ。
同誌が複数の人物から入手した情報によると、ディズニーとガン監督は和解案をめぐって交渉の最中とのこと。ガン監督が執筆した『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3』の脚本がどうなるのか、また監督がすぐに別のプロジェクトに関われるだけの自由が保証されるかなど、あらゆる要素がその中で決定されるとみられる。

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3』とジェームズ・ガン監督をめぐる問題は未だ先行きが不透明なままだが、ひとまず他のスタジオが監督の起用に及び腰でないことは朗報だろう。もしもワーナーがガン監督の起用に動いた場合、今度はDCコミックス作品の映画化でその実力が振るわれる可能性もある。もちろんコミック映画やヒーロー映画にとどまらず、再び自身のルーツであるホラー映画の世界で才能が発揮されることになるかもしれない。

ただしThe Hollywood Reporterは、一点だけ今後の懸念を併記することも忘れなかった。監督による“不適切なジョーク”を発掘し、「こんな人物を監督として使うのか」と声高に叫んだいわゆる「オルタナ右翼」と呼ばれる人々の攻撃の矛先が、今度はガン監督を拾ったスタジオに向けられるだろうというのだ。ディズニーほど幼い子どもを持つ家庭にアピールするスタジオは決して多くないが、それでも監督の起用にはなんらかのリスクが伴うことになる。数人のスタジオ幹部やプロデューサーは、ガン監督の今後が正式に発表されるまでの期間に検討を重ねる意向を明かしたという。

「捨てる神あれば拾う神あり」という言葉があるが、このままディズニーがガン監督を解雇するにせよ、その後の復活劇は思いのほか早くやってくることになるかもしれない。もっとも、ひとまず今は事態をじっと見守るほかないのだが……。

Source: THR
Eyecatch Image: Photo by Gage Skidmore

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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