『ターミネーター:ニュー・フェイト』について「やった後悔よりやらない後悔、再演して本当に良かった」とサラ・コナー役リンダ・ハミルトン

『ターミネーター』シリーズは1991年の『ターミネーター2』以来、長い歴史の中で、さまざまな形で幾度となく続編が製作されてきた。2019年の『ターミネーター:ニュー・フェイト』では創造主ジェームズ・キャメロンが製作に戻り、「これが正統続編」として新三部作構想とともに再出発したものの大苦戦。新シリーズ予定は事実上頓挫している。
監督のティム・ミラーは「私が間違っていた」「大失敗だった」と自ら認め、キャメロンさえも「もはやおじいちゃんターミネーターだった」と、アーノルド・シュワルツェネッガー再登場のタイミングを誤っていたことを後悔。そのシュワちゃんも『ニュー・フェイト』に満足していなかった口ぶりで、「私はもう終わりました」と卒業の意思を明らかにしている。
米The Hollywood Reporterのインタビューに登場したサラ・コナー役のリンダ/ハミルトンは、『ニュー・フェイト』には満足しているのか、それとも再演すべきではなかったと考えているかと尋ねられると、「私はあまり後悔しないタイプ。結局のところ、“何をやったか”ではなく、“何をやらなかったか”を後悔するというのが真実だと思います。再演して本当に良かった」と答えている。「ティム・ミラー監督のことは大好きだし、レディース(=マッケインジー・デイヴィスやナタリア・レジェスといった女性共演者たちのこと)のことも大好きです」。

一方で、「確かに、あの映画が大好きだとは言えません。とても愛着があるからこそですね。一度しか観ていません。早すぎる気がしました」と、複雑な思いもある様子。「私の人生でも最高の時間でしたし、最悪の時間でもありました。その全てが一作の映画にまとまっているのです」と言い表している。
とにかく撮影がハードだったそうだ。「当時私は63歳くらいで、一番キツい撮影でした。“これから2時間泳いで、その後2時間走ります”って、まるで毎日トライアスロンをやっている感じ」と振り返るハミルトン。厳しい撮影の中で、疲労回復の一助になったのは読書だったといい、期間中に「40冊も読んだ」そうだ。「できることといえば、それだけ。横になって、本を読んで、自分の精神をどこかに飛ばして、体を休めるんです」。
さまざまな思いがありつつサラ・コナー再演をやり遂げ、「後悔はない」と語るハミルトン。そうは言っても、もう一度演じるつもりは全くないようだ。「サラ・コナーをまた演じるか、それともAIが『ターミネーター』の新作を書くか、どっちの方があり得そう?」との質問には「AIが『ターミネーター』を書いて、始まる前に私は殺される。それがベストシナリオ」「私を撃って!」と答えている。
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Source:The Hollywood Reporter