『ハリー・ポッターと秘密の部屋』には、なぜか『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』の曲が使用されている

『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(2002)には、同じ年に公開された映画『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』(2002)の楽曲が再利用されたシーンがある。両作品とも、楽曲を手掛けたのはジョン・ウィリアムズだ。
件のシーンは、『秘密の部屋』でハリーたちがクィディッチの試合に挑む場面。暴れ球(ブラッジャー)に付け狙われるハリーが、金のスニッチを追ってドラコ・マルフォイと共に狭い溝を高速飛行するシークエンスだ。
実はこの音楽、『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』の序盤で、アナキン・スカイウォーカーとオビ=ワン・ケノービが夜のコルサントで謎の刺客ザム・ウェセルを追うシーンのものと、僅かにピッチが異なる以外は同じ。『クローンの攻撃』サウンドトラックには「暗殺者ザム – コルサントでの追走劇」との名前で収録されている楽曲だ。『クローンの攻撃』は2002年の5月22日に、『秘密の部屋』は11月15日にそれぞれ米公開されている。
どうしてジョン・ウィリアムズがこの2作に同じスコアを使用したのかは判明していない。意図的なものなのか、あるいは多忙すぎるが故に無意識に似てしまったのか、それとも時間の節約のため流用したのか、その事情は不明だ。ちなみに2002年、ウィリアムズは『ハリー・ポッター』『スター・ウォーズ』のほかにも『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』『マイノリティ・リポート』もあわせて4作もの映画音楽を担当している。
御年91歳になるジョン・ウィリアムズは、2023年の『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』をもって映画音楽からの引退を表明していたが、後に撤回。スピルバーグとの対談で、スピルバーグの父が100歳まで働いたと聞くと、「まだあと10年ある。もう少しやりましょう」とキャリア継続を宣言していた。