ヒュー・ジャックマン、MCU版『X-MEN』は「100%楽しみ」 ― ウルヴァリンの役作り、現マーベル・スタジオ社長が手伝っていた

2018年11月現在、米ウォルト・ディズニー・カンパニーは21世紀フォックスとの事業統合を進めている。これまで20世紀フォックスが製作してきた映画版『X-MEN』シリーズは、統合の完了後、ディズニー傘下にあるマーベル・スタジオが製作を担当する見込みだ。多くのファンが待ち望んだ、マーベル・シネマティック・ユニバースへのX-MEN合流はいよいよ現実となりつつある。
マーベル・シネマティック・ユニバース版『X-MEN』を心から楽しみにしている人物がいる。『X-メン』(2000)から『LOGAN/ローガン』(2017)までウルヴァリンを演じてきたヒュー・ジャックマンだ。マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長が指揮する映画版『X-MEN』について、ヒューは「100%楽しみ」だと語っている。
ケヴィン・ファイギ社長、ウルヴァリンの役作りを手伝っていた
ヒューのケヴィン社長に対する信頼のはじまりは、かつて『X-メン』でヒューがウルヴァリン役を掴んだ当時まで遡る。若かりし頃のケヴィン社長は、アソシエイト・プロデューサーとして、同作のプロデューサーであるローレン・シュラー・ドナーのアシスタントを務めていたのだ。ヒューは「彼のオフィスに行ったのを覚えていますよ」と語っている。
そのきっかけは、『X-メン』を手がけたブライアン・シンガー監督が撮影現場でコミックを完全に禁じていたことだった。
「撮影現場ではコミックが禁止されていました。ブライアン・シンガーは、コミックのキャラクターを3次元の人間として真剣に捉えようとしていたので、“コミックをきちんと理解していなければ、キャラクターを2次元の人物だと思ってしまいかねない”ということで。だから誰にも許されていなかったんですよ。」
しかし当時のヒューはコミックを読んだことがなく、ウルヴァリンについてほとんど何も知らなかったようだ。のちにヒューは、かつてを振り返って「ウルヴァリンなんて動物は知らないぞと。狼かなと思って、狼の勉強をしてたんですよ。ドキュメンタリー映画を観たんです」とテレビ番組で語っているほどである。
『X-メン』のスタッフは、そんなヒューのために監督の目を盗んで「密輸品のように」コミックを手渡していたそうで、それらがウルヴァリンの役作りに活かされていたという。今では“誰よりもコミックに詳しい”といわれるケヴィン社長も、そのプロセスに大きく貢献していたのだ。
「ケヴィン・ファイギのオフィスによく行っていましたね。壁一面、コミックやポスターでいっぱいで、それぞれ違うキャラクターのフィギュアが600体くらいあって。“どれを読むべきなの?”って聞くと、“これと、日本のヤツと、オリジンは読まなきゃ”って、こっそり渡してくれていたんです。それ以来、僕たちは友達なんですよ。純粋にクリエイティブで、コミックの歴史を純粋に愛している人間がこれだけ成功しているのは何よりもうれしいことです。」

ケヴィン社長は2008年に『アイアンマン』を手がけて以降、マーベル・スタジオの社長としてマーベル・シネマティック・ユニバースの統括にあたっている。ヒューとの共同作業は『X-MEN2』(2003)が最後となっているが、ヒューの信頼はまったく薄らいでいないようだ。
「“ハリウッドはスーツの人間が回してる”って話をよく聞きますけど、僕に言わせれば“ケヴィン・ファイギはスーツじゃないぞ”と。スーツだとしてもマントみたいなやつ、X-MENのスーツですから。まったく企業の人間らしくないのに、ものすごく成功している。素晴らしいですよね。」
マーベル・シネマティック・ユニバースにX-MENが合流する際、これまで製作されてきた映画版『X-MEN』がどのように扱われるかはわからない。コミック屈指の人気キャラクターであるウルヴァリンがそこに登場しないとは考えづらいが、ヒューが復帰を考えておらず「別の誰かがやる」ものだと述べている以上、ウルヴァリンは新たなキャスティングで再登場する可能性が高そうだ。
ちなみに現在、ヒューはウルヴァリン以外の新たな役どころでヒーロー映画に出演することを否定していない。ケヴィン社長への信頼がこれだけ厚いということは、いずれ何かが起こるかも……?
Sources: MTV News, The Late Show with Stephen Colbert