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エリック・バナ、2003年版『ハルク』撮影で感じた不満「ストレスのたまる役だった」 ─ 貫いてきた仕事観とは

Eric Bana エリック・バナ
Photo by p&l1 https://www.flickr.com/photos/pl90/4726626467

アン・リー監督による映画『ハルク』(2003)で主演を務めたエリック・バナが、同作の撮影で感じた不満をET Canadaにて明かした。 

バナが出演したのは、現在マーベル・スタジオが展開しているマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)が始動する前に製作された時の『ハルク』。バナにとっては初のハリウッド主演作で、注目されるきっかけにもなった作品だ。本人にとっても特別な思い入れがあるのかと思いきや、苦い思い出としてずっと心の中にしまわれていたようだ。

ハルク役について「演じるのに常にストレスがたまるキャラクターでした」と話すバナは、特に撮影時について振り返っている。2001年公開の戦争映画『ブラックホーク・ダウン』を終えた後に『ハルク』の撮影に挑んだというバナは、想像とは違う撮影環境に違和感を覚えたのだという。

「主に昼間に屋外で自然光を使って、爆発が響き渡るような場所で撮影していた『ブラックホーク・ダウン』から突然、研究室か家か、屋内に籠もる科学者を演じることになりました。[中略]なのである意味では、(『ハルク』が)ちっちゃな映画に感じてしまいました。僕にとっての現実は、毎日が屋内やスタジオ、部屋の一室で、大規模なシーンなんてほとんど無かったんですから。会話も多くて。個人的に屋内での撮影は好まないんです。

スタジオで鳴るベルの音とかも苦手で、外では何時なのかも分からない。やる気の面では、こういったことはあまり好きではありません。自然光で撮るのが好きで、そこから得られるエネルギーがすごく良いんです。」

結果的に、バナは1作限りでハルク役と別れを告げ、公開から5年後にはエドワード・ノートンによるMCU版『インクレディブル・ハルク』(2008)が作られた。記者から「続編等に契約していたら、その後のキャリアはとても違っていたでしょうね」と訊かれたバナだが、後悔は全くない様子。「ある意味、ラッキーです」と語りながら、俳優としての心構えを明かした。

僕には、何よりも選択と自由を持てることが一番なんです。これまであれこれと経験して違ったことをして、いろんな道を選択することができました。コミットメント恐怖症なんですよ。だからこそ、今までドラマシリーズに出演してこなかった。安定した仕事というのは僕に何も語りかけてこなくて、不安定に働くのが好きなんです。

“もしこれをやれば、こういうチャンスがあるんだよ”と言われたとしても、全く惹かれませんでした。僕なら、“それって3年間もバイクに乗れなくなってしまうってことですか?”って言ってしまいます。“そういうことですよね?何か起こって家に帰れなくなったとしても、それが出来ないんですよね?”って。物事にノーと言えることにはとても満足していますし、これまでノーと言ってきたものに対して後悔はありません。」

発言にあるように、バナがドラマに出演していたのはほとんどがキャリアの初期。現在に至るまで、フィルモグラフィーの大部分が映画作品である。1つの役柄に固執しないのは『ハルク』に限ったことではなく、ずっと貫いてきた仕事観のためだったということだ。もちろんそこには、プライベートや家族との時間への考慮も含まれているだろう。

バナは、自分が持つこの価値観を形成したであろう、ある友人から受けたというアドバイスについて紹介している。「ある日、僕の友人がすごく素晴らしい助言をくれたんです。“もし君がイエスといったところで、出しうるベストな成果って何だろう?もしその答えが、君が望んでもいないオファーを受け続けることなら、何の意味があるんだ?”と」。なお、2021年5月にハルク役再演への興味を訊かれたバナは、きっぱり「ノー」と答えている

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Source: Vulture

Writer

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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