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『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』ジェームズ・ガン監督の解雇、ディズニーCEOが初言及 ― 「全会一致だったと聞いている」

ジェームズ・ガン
Photo by Gage Skidmore https://commons.wikimedia.org/wiki/File:James_Gunn_(28663744545).jpg

2018年7月、ひとつのニュースが世界中の映画ファンに衝撃を与えた。映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのジェームズ・ガン監督が、最新作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3(邦題未定、原題:Guardians of the Galaxy Vol.3)』から解雇されたのである。原因となったのは、小児性愛や性犯罪に関する過去の不適切な発言だった。

突然の解雇を受けて、ファンや関係者はガン監督を支持する意思を相次いで表明。再雇用を求める署名活動には40万人以上が署名(2018年9月21日現在)、クリス・プラットをはじめとした出演者9名は公開状を発表した。しかし、それでもディズニーによる解雇の決定は覆らなかった。
このたび、キーパーソンの一人とみられていたウォルト・ディズニー・カンパニーのボブ・アイガーCEOが、ガン監督の解雇について初めて公に言及している

ジェームズ・ガン
ジェームズ・ガン Photo by Gage Skidmore https://commons.wikimedia.org/wiki/File:James_Gunn_(28663744545).jpg

ガン監督が解雇される約2ヶ月前の2018年5月、ディズニーは“不適切な発言”を理由とする、もうひとつの大きな決断を下していた。女優ロザンヌ・バーが人種差別的な内容を含むツイートを投稿したことで、自身の名前を冠した主演ドラマ「ロザンヌ」の打ち切りを決定したのである。

The Hollywood ReporterはアイガーCEOに対して、ガン監督とロザンヌ・バーのケースについて、それぞれの決定にどう関与したのかを尋ねている。問いかけに対して、アイガーCEOは「物事を決めるのを手助けすること、下された決定をサポートすること、この二つがあるわけです」と述べている。

「ロザンヌの解雇については全員が完全に同意していました。適切に対応しなければならない問題がいくつかあったので、いつ、どのように伝えるかは話し合いましたが、決定自体は全会一致だったんです。ジェームズ・ガンの解雇については、スタジオの幹部が全会一致で決定したものと聞いています。それを支持した、ということです。」

ガン監督が解雇された2018年7月20日(米国時間)、アイガーCEOは休暇のさなかだったとされる。問題発覚から約半日後に解雇を決定するという急速な対応を指揮したのは、ウォルト・ディズニー・スタジオのアラン・ホルン会長だった。解雇の決定を支持したというマーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長も、決定が下される現場には関与していなかったとみられる。アイガー氏の話しぶりから推察するに、ホルン会長をはじめとした一部の幹部がガン監督の解雇を決定し、アイガー氏が受諾したということだろう。

The Hollywood Reporterのインタビュアーは、アイガー氏に「(ガン監督の解雇には)批判がありましたが、今でも決定を支持されていますか?」と問い直している。これに対して、アイガー氏は「彼らの決定を後からとやかく言ったことはありません」と述べるにとどまった。

2018年8月中旬、ディズニーとマーベル・スタジオは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3』にガン監督を復職させない意向だと報じられた。関係者によればガン監督による脚本は使用されるようだが、新たな監督によって改稿される可能性が高いという。なお8月下旬には、新監督の決定まで製作準備チームが解散されること、および企画が無期限保留状態にあることが伝えられている

Source: THR
Eyecatch Image: Photo by Gage Skidmore

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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