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人類を滅ぼすかもしれない事態まで24時間!宗教象徴学者のロバート・ラングドンが立ち向かう『インフェルノ』レビュー

レオナルド・ダ・ヴィンチの名画に残された謎に迫った『ダ・ヴィンチ・コード』。ヴァチカンを狙う秘密結社の陰謀にガリレオの残した暗号を解読して挑んだ『天使と悪魔』。そして、前作から7年の時を経て、製作総指揮も担当するダン・ブラウンのベストセラーを記録した原作を映画化したシリーズ第3弾が『インフェルノ』だ。

監督は『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK‐The Touring Years』が公開中で、シリーズ2作も手掛けた名匠ロン・ハワード。主演はもちろん名優トム・ハンクス。共演は新作『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の主演に抜擢されたフェリシティ・ジョーンズ。さらに、『最強のふたり』のオマール・シーや『スラムドッグ$ミリオネア』のイルファン・カーン、『疑惑のチャンピオン』のベン・フォスター、日本ではスーパー!ドラマTVで放送されたデンマークのTVシリーズ『コペンハーゲン/首相の決断』に主演したシセ・バベット・クヌッセンと、国際色豊かな豪華キャストが共演している。

物語はフィレンツェの病院で目覚めたハンクス演じるラングドン教授が謎の刺客に命を狙われるところから始まる。ジョーンズ演じる女医シエナの助けで病院を脱出するが、彼は2日間の記憶を失っていた。何も思い出せない彼のポケットには1本のペンライトがあり、映し出されたのは詩人ダンテの神曲≪地獄篇≫を模した“地獄の見取り図”とそこに刻まれた暗号だった。ラングドンとシエナが手掛かりを探っていくうち、ダンテのデスマスクの持ち主で大富豪の生化学者の存在のたどり着く……。

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ブラウンの原作は上下巻の長編だが、映画の上映時間は2時間1分。エンドロールを抜くと2時間以内に収められ、ラングドンとシエナが謎をに迫る24時間の話として凝縮されている。ふたりが命を狙われ、ペンライトに収められた“地獄の見取り図”の暗号を解いていく姿がテンポよく描かれ、そのスピード感には観ている方が圧倒されてしまうほど。だが、映画の中盤のある場面を境に思いも寄らぬ方向に物語が転換していく。ま、それは観てのお楽しみということでここでは明言を避けるが、まさにどんでん返しからの畳み掛けるような怒涛の展開にもハラハラさせられるはずだ。

長編小説をよくぞここまでまとめた脚本のデヴィッド・コープ、そしてハワード監督の手堅い手腕はさすがと言えるだろう。オープニングのイタリア・フィレンツェ、ヴェネツィア、そしてトルコのイスタンブールへと、歴史のある都市でロケが行われ、まるで現地を旅行しているような気にもさせられるのもシリーズのお楽しみ。 これまでの作品の中でも一番上映時間が短い本作だが、謎解き、アクション、ラブロマンスと、あらゆる要素が凝縮され、ハンクスやジョーンズほか、役者陣の熱演に思わず力が入ってしまうこと請け合い。謎解き映画の面白さをぜひスクリーンで味わっていただきたい。

Writer

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masashiobara小原 雅志

小学館のテレビ雑誌『テレパル』の映画担当を経て映画・海外ドラマライターに。小さなころから映画好き。素晴らしい映画との出会いを求めて、マスコミ試写に足しげく通い、海外ドラマ(アメリカ、韓国ほか)も主にCSやBS放送で数多くチェックしています。

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