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【ネタバレ】『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』ラストシーン解説

映画アベンジャーズ/インフィニティ・ウォーは、徹底した秘密主義によって全編が包まれた作品だ。本記事では無謀にも、そのラストシーンについて、そして『アベンジャーズ/エンドゲーム(邦題未定、原題:Avengers: Endgame)』に向けての解説と予測を試みたい。この作品は『アイアンマン』(2008)に始まったマーベル・シネマティック・ユニバースの集大成にして、新たな可能性を秘めている、そんな一本なのである……!

注意この記事には、映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のネタバレが含まれています。すでに作品を鑑賞された方向けの内容となりますのでご注意下さい。なお、このページをSNSにてシェア頂く際は、記事内容に触れないようお願い致します。

© 2018 MARVEL

ポストクレジットシーン、キャプテン・マーベルの「予感」

アンソニー&ジョー・ルッソ監督は『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』において、マーベル・シネマティック・ユニバースの“お約束”であるポストクレジットシーンの有無についても明言を避けてきた。とにかく本作では「見てみるまでわからない」という仕掛けが徹底されていたのだ。

結果として、やはり本作にもポストクレジットシーンは存在した。ただし珍しいのは、今回はエンドロールの途中に挿入される「ミッドクレジットシーン」が用意されておらず、まさしく一番最後までおまけが伏せられていたことである。本記事で解説する「ラストシーン」とは、このポストクレジットシーンを指す。

映像は、ニック・フューリーとマリア・ヒルが車に乗っている様子を背後から捉えたショットから始まる。ニックが運転する車の助手席で、マリアはトニー・スタークの消息がつかめないこと、ワカンダで敵の反応が多数見られたことを報告。すると突如、前方を走っていた車が目の前に突っ込んでくるのだった。
二人が車を降りると、背後を飛んでいたヘリコプターが回転しながらビルへ激突する。ニックが事態の異常さを察知するやいなや、マリアの身体が消滅し始めた。ニックは慌てて車の後部座席からポケベルを取り出すが、すぐさまニックの身体も消えていく。「マザーファ……」というサミュエル・L・ジャクソンお決まりのセリフはかき消され、その場には地面に落ちたポケベルだけが残されるのだった。その画面には、赤色と青色の配色、そして星のマークが表示されている。

このポストクレジットシーンは、来る新たなヒーローの存在を示唆するものだ。ポケベルの画面に表示されているマークは、マーベル・コミックに登場する女性ヒーロー、キャロル・ダンバース/キャプテン・マーベルのコスチュームを模したもの。すなわち事態の重大さを理解したニックは、すぐにキャプテン・マーベルを呼び出そうとしたのである。ニックは消えてしまったが、彼女のマークがポケベルに表示されたということは、どこかにいるはずのキャプテン・マーベルに通信は届いているに違いない。

マーベル・シネマティック・ユニバースにおいて、キャプテン・マーベルは単独映画『キャプテン・マーベル(原題:Captain Marvel)』(2019年3月米国公開)にて初登場する予定。1990年代を舞台とした物語で、マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長いわく、彼女はニックが初めて出会ったヒーローなのだとか。ちなみにキャロル・ダンバース/キャプテン・マーベル役は『ルーム』(2015)のブリー・ラーソンが演じる。
なおキャプテン・マーベルは、コミックでは驚くべき怪力と耐久力を持ち、空を飛び、目からビームを発射するという能力を備えている。おそらくMCU最強のヒーローになるはずだが、いかにして『アベンジャーズ』第4作に関わってくるのか……。

過去のヒーローたちの再来

マーベル・シネマティック・ユニバースにおいてキャプテン・マーベルは新しいヒーローだが、彼女は1990年代から世界のどこかに存在したわけだ。本記事の主旨からはやや外れるが、『アベンジャーズ』第4作において、さらなる過去のヒーローが帰ってくる可能性にも言及しておこう。

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』につづく映画『アントマン&ワスプ』(8月31日公開)では、「司法取引によって自宅に軟禁状態」だと説明されていたスコット・ラング/アントマンの新たな冒険が描かれる。
同作の舞台が『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)と『インフィニティ・ウォー』の間なのか、それとも『インフィニティ・ウォー』以降なのかは不明だが、いずれにせよ重要な一本であることは間違いない。

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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