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『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』ドクター・ストレンジ、どうやって1,400万通りの未来を見ていたのか ─ 涙ぐましい努力が判明

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の集大成『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)で、アイアンマンやキャプテン・アメリカなど古参のキャラクターと並んで超重要なポジションを担ったのが、単独映画『ドクター・ストレンジ』(2016)で初登場した、ベネディクト・カンバーバッチ演じるドクター・ストレンジだ。

『インフィニティ・ウォー』の後半では、圧倒的な力をもってインフィニティ・ストーンを手中に収めようとするサノスを相手に、ストレンジが“勝利するための唯一の方法”を見通す。そのためにストレンジが見通した未来は実に1,400万605通りにも及んだ。ではあの時、ストレンジの中ではいったい何が起きていたのだろうか?

この記事には、映画『ドクター・ストレンジ』のネタバレが含まれています。

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このたび両作を手がけたアンソニー&ジョー・ルッソ監督は、米WIREDにてファンからの質問に回答。「ストレンジの頭の中はどうなっていたんでしょう?」との問いかけに、まずはアンソニー監督が応じている。

ストレンジがあの状態になって、そこで時間を過ごすのには、はかり知れないエネルギーが必要です。そのことは『ドクター・ストレンジ』でも分かります。ただし、どれくらいの時間、あの状態でいられるのかは誰にも分からない。すべての可能性を見てくるのには、ものすごく長い時間がかかりそうですよね。」

一方でジョー監督は、ストレンジが未来を見通すという行為は、映像を見るようなイメージではなく、あくまで本人の身体的体験を伴うものなのだと強調している。1,400万通りの未来を、ストレンジは自ら体験しているというのだ。

ストレンジはすべてのシナリオを身体で体験しなくてはいけないし、それぞれのシナリオで死ななくてはいけません。『ドクター・ストレンジ』のラストと同じで、死ぬ直前にリセットしなきゃいけないんですけどね。やり直すたびに彼は大量のメモを取ってるんですよ。」

すなわちストレンジは、劇中ではほんの数秒間しか描かれない未来予知の間に、1,400万605通りの臨死を味わい、ギリギリのところで踏みとどまっては失敗の理由を検討し、別のルートを探っていたのである。なんという地道な努力だろうか。けれども、ストレンジの未来観測がヒーローたちに希望を与え、『エンドゲーム』のラストに待つ“決断”にも繋がった。たとえ、ストレンジの見た唯一の勝利が、誰も予想しなかった終わりを迎えるものだったとしても。

ちなみに『アベンジャーズ/エンドゲーム』を経て、しばらくの間、ドクター・ストレンジはMCU作品に登場しないものとみられる。次回登場作品として確実なのは、『ドクター・ストレンジ』の続編『ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス(原題:Doctor Strange in the Multiverse of Madness)』で、ワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチとのタッグを結成。タイトル通りなら、それこそ1,400万605通りの未来を見通したのと同じようにマルチバースに挑むことになりそうだ。

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』MovieNEXは発売中。『ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス(原題:Doctor Strange in the Multiverse of Madness)』は2021年5月7日に米国公開予定だ。

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Source: WIRED

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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